HubSpotで成果を出せるコンテンツの条件
――はじめに皆さんの担当業務について聞かせてください。
浅野:HubSpotの浅野です。当社ではマーケティング、セールスおよびCRMのソフトウェアを提供しています。2019年12月から、ランサーズにパートナーになってもらいまして、ランサーズのアウトソーシングサービスと、プラットフォームとしてのHubSpotを組み合わせて提供できる体制を構築しました。私自身は、パートナー担当のチャネルコンサルタントとして勤務しています。
土屋:ランサーズの土屋です。私は法人向けの一括業務受託サービス「Lancers Outsourcing(ランサーズ アウトソーシング)」の事業責任者として、アウトソーシング事業の推進と現場のマネジメントを担当しています。当社の支援領域はコンテンツ制作が高い割合を占めており、よりユーザーに提供できる価値を広げていこうと、HubSpotとのパートナープログラムを進めているところです。
石井:ランサーズのマーケティング部に所属し、法人向けにランサーズを知ってもらい、活用してもらうための活動をしています。活動の中で当社でもHubSpotを利用し始めていまして、過去のお客様にメール配信をしたり、ランサーズの導入事例記事やホワイトペーパーといったコンテンツを用意したりしています。
――HubSpotとランサーズがパートナーとなった理由について教えてください。
浅野:HubSpotにとって、「コンテンツ」はとても重要なもの。コンテンツにはいろいろな役割がありますが、中でも大切なのは、最初の接点として、ユーザーがGoogleなどの検索エンジンにキーワードを入力したときに、それに関連するクライアントのサービスや商品が検索結果の上位に掲載されている状態を作ることです。検索結果は、Googleがユーザーにとって有益な情報が掲載されているかどうかで判断するのですが、そのアルゴリズムは刻々と変わるため、最低でも週1回、フレッシュな状態にしていかないといけません。そのため、質の高いコンテンツを継続的にあげ続けられるかどうかが成功の鍵になります。
検索して情報にたどりついたお客様が次に行うのは、類似のサービスが他で提供されていないか、価格の妥当性はどうなのかを調べること。そうしたお客様には、また違ったコンテンツを出さなければいけません。お客様の心理状態が変わっていくのに応じて、シナリオを作って適切なコンテンツを届けることが理想的です。
浅野:ですが、そうしたコンテンツを制作することは決して簡単ではありません。社内にリソースが足りない場合や、企業にとってどんなコンテンツが必要なのかを自社で考えるのが難しい場合もあると思います。ランサーズに手を貸してもらい、そうした問題を解決することで、HubSpotをより良く活用していただけるのではないかと考えました。HubSpotが想像する世界を日本で提供するためにも、必要なパートナーだと考えています。
柔軟なチーム編成で、その時々の困りごとに対応
――コンテンツ制作の領域でマーケターが困っているのは、どんな点なのでしょうか。
土屋:商材やユーザーのターゲティングによって、微妙なチューニングが必要な点に苦労されているようですね。また、企業がコンテンツ領域をアウトソースする背景として、職種を問わず採用が難しくなっている点があり、代わりに業務委託の活用や、プロジェクトによって人をアサインしたいという需要も増えています。
さらに、状況に応じてチームを編成していく柔軟性を持たせたいというニーズも存在します。特にマーケティング領域ではコスト意識を高く持っていらっしゃる企業様が多く、ハンドリングがしやすい状況を作ろうとする傾向が強くなっていると感じますね。
石井:私もランサーズのマーケティング活動でHubSpotを活用していますが、基本的にコンテンツ制作はランサーズに登録しているフリーランスに依頼しています。得意な人、できる人にお願いすることで、コンテンツの仕上がりも良くなりますし、リソースの節約にもつながります。
マーケターは日々、様々な施策を行わなければならない中、自分でHubSpotを使いこなしつつ、コンテンツも作る……というのは難しいので、とても助かっています。
ベテラン&資格保有のプロフェッショナルも在籍
――では、ランサーズがコンテンツ制作をバックアップする際の強みについて教えてください。
土屋:“量”と“質”の両軸を担保できる点が強みと考えています。リソースについては、ランサーズに登録いただいたクリエイターが連携することで、多くのコンテンツを安定して制作できる体制を整えています。
質に関しては、ハイスキルな人材に多く登録していただいており、様々なニーズに対応できるようになっています。たとえばマーケターの経歴を持つ人や、SEOコンサルタント。ライターも出版社に何年も勤めていた人や、税理士や社労士、FPなどの専門的な資格を持っている人など、プロフェッショナル人材がそろっています。ランサーズは開始から11周年と歴史のあるサービスであり、登録者の層が厚くなってきたからこそ、専門性の高いコンテンツ制作にも対応できるのです。
石井:全体の設計をする人、企画を立てる人、記事を書く人、校正、校閲、入稿する人など、それぞれのパートについて最も得意な人をアサインすることで、質の高いアウトプットにつなげたり、メディアごとの細かな要望に対応したりできるのも強みです。
業務を分担しチームを編成した場合、メンバーは10人前後から、多いときには100名近いチームになることもあります。それをマネジメントするとなると、工数がかかってしまいますが、「Lancers Outsourcing」では専任のディレクターに一括委託していただくことも可能です。
さらに「どのように売っていきたいか」「どんなユーザーに発信したいか」といった戦略策定についても伴走できますので、コンテンツ領域の困りごとを最短経路で解決することができると思います。
浅野:目指すところを実現するためにはどんなコンテンツが必要か、というアドバイスもしていただけるのは心強いですね。
土屋:ありがとうございます。クラウドソージングの利用にあたっては、大枠をあらかじめ決定したうえで、運用の部分だけを切り出して発注しなければいけない、と考えている方もいらっしゃるのですが、「何を任せていいかがわからない」というケースでも、相談しながら外注する部分を決めていくことができます。
また道筋に従ってやっていても、効果が出ないまま廃止になってしまうプロジェクトもあったりするため、最近は業務の棚卸から支援させていただいたり、マーケティング戦略寄りの提案をさせてもらったりというケースも増加していますね。
コンテンツ制作は最も外注に向く業務の一つ
――ユーザー企業様のコンテンツ制作は、どのように進めていらっしゃるのでしょうか。
土屋:最初のヒアリングがカギになると考えています。ユーザー企業様が根本的に何をしたいのか、何を目標にしていてどう動こうとしているかをキャッチアップして、最適なソリューションを提供していくことを意識しています。
コンテンツマーケティングにおいて大事なことは、それを見たお客様がどう感じるかで、企業の自己満足で終わってしまってはいけません。どんなに質が高くても、コンテンツだけが一人歩きしてしまい、ユーザーの態度変容に貢献できなければ、それは成功とはいえません。そのため「誰に」「どう」伝えていきたいかは常に考えながら進めていますね。
それから、やはり「このコンテンツで何を成し遂げたいか」を明確にしておくことが重要です。認知拡大を狙って検索からの流入を増やすコンテンツを用意したのに、指標としてコンバージョンを追ってしまうということが起こると話が違ってきてしまうので、重要な指標がどれかを提示して、ときには軌道修正しながら成果に結びつけていきます。
――なるほど。発注するユーザー企業様が意識しておきたいポイントについても、教えていただけますか。
土屋:依頼する前の準備として、業務を棚卸しして整理しておくとスムーズです。誰に何を外注するのかを明確にしておかないと、担当領域が曖昧になってしまいがち。内部で行うものとアウトソースするものの領域と範囲を整理して、外注先とすり合わせておくことが大切です。
石井:HubSpotの運用担当としては、メールを送ったり、ランディングページを作ったり、ブログ機能を作ったりと、これからHubSpotを活用したい部分がたくさんありますが、どれもコンテンツがなければ実現することはできません。そのためコンテンツ制作を進めながら、HubSpot運用の手も緩めないという「両軸で進める意識」が重要だと感じています。
――最後に、ランサーズの利用を検討しているマーケターへのメッセージをお願いします。
浅野:HubSpotのようなMAツールを活用していく場合、コンテンツ領域が一番外注しやすい部分だと思います。その部分をアウトソースすることで、他にリソースを回すことができるようになるのではないでしょうか。
また、質の高いコンテンツを安定的に発信することで、それぞれの良し悪しを分析しながら勝ち筋を見つけたり、良いコンテンツを集客に活用したりと、次の施策につなげられるようになってきます。そうしてHubSpotの機能を網羅的に使ってもらうと、効率が良くなり効果も高くなるので、起点となるコンテンツ制作の体制作りは、ぜひ大切にしていただきたいと思います。
土屋:リソース不足が解消されれば、本来の業務に専念できるようになります。コンテンツ制作だけでなく、営業・マーケティングの中の業務をアウトソースする方法もあるので、目標を明確にしたうえで、「注力すべき部分」と「外部の力を借りて省力化する部分」を見極めてもらい、上手にサービスを活用していただければと思います。
――本日はありがとうございました。
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