アナログ“merges with”デジタルを体現したディノス・セシール
学習院大学、土屋鞄製造所がアナログからデジタルの好事例なら、次に紹介されたディノス・セシールの取り組みは、アナログとデジタルを融合した「アナログ“merges with”デジタル」の画期的な取り組みと言えよう。
「この取り組みの優れた点は、DMそれ自体ではなく背後の戦略にあります。クリエイティブは普通のハガキや冊子なので、説明を聞くまでは評価が難しかったという審査員の声も聞こえてきました」(椎名氏)
同社は「デジタルコミュニケーションのキャッチアップ」をコンセプトに、同社のECサイトでカート落ちした商品のデータを集め、最短24時間以内に紙のDMに印刷して発送した。カート落ち商品のフォローにはこれまでもEメールで取り組んでいたが、開封率の低さや訴求力の弱さを打開するべく紙のDMを使ったところ、紙のDMを送らなかったグループと比較してCVRが20%高く出た。
同社は他に、AIを活用した小冊子DMの制作にも取り組んでいる。顧客がECサイトで購入した商品に似たアイテムをInstagramから自動検知し、着こなしのアイデアをオンデマンド印刷で冊子にまとめて届けるというものだ。その結果、Web顧客のカタログ反応率が10%アップし、カタログをきっかけにCVも生まれた。小冊子の表紙にはそれぞれの顧客が過去に購入した商品の画像が採用されており、受け手が冊子を自分ごと化できる仕掛けになっている。
3社の事例について議論を深めた後、3名は次のように述べてセッションを締めくくった。
「このセッションが、アナログとデジタルの有効な組み合わせ方や順番、『やる・やらない』の判断基準などを考える良い機会になれば嬉しいです。技術の向上により、アナログもデジタルのようにスモールスタートで試せるようになってきたのはありがたいですね」(堀内氏)
「ターゲット層によって、各チャネルから受ける印象もメディアリテラシーも様々です。計算されたシナリオの中で最適なメディアを組み合わせ、使い方を進化させていくことが最優先の課題だと思います」(椎名氏)
「これまでデジタルで課題を解決してきたデジタルマーケターの皆様に、『アナログもあるよね』という気付きが醸成されるセッションになっていれば幸いです」(大木氏)
デジタル×アナログの事例&研究成果をアーカイブサイトにて公開中! 閲覧はこちらから!
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)
1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
