機能の柔軟な組み合わせで、最短1ヵ月でアプリ作成が可能
――「Module Apps」の強みはどのような点にあるのでしょうか。
小嶋:各企業のニーズに合った最適なアプリを最短経路で制作できる点です。
通常、クーポンやプッシュ通知などの機能をゼロからフルスクラッチで作ると、時間もコストもかかりすぎてしまいます。しかし「Module Apps」は、業態や業界ごとによく利用される機能が既に用意されているため、モジュールにより各機能を組み合わせるだけでアプリを作ることができるのです。
小嶋:もちろん、管理画面やサーバーもすぐに提供することができるので、標準的な機能だけでリリースしたいという場合は、最短1ヵ月程度で企業アプリが作れるようになっています。また、店舗数が多い企業の場合は、マーケティング担当者、エリアマネージャーと店長でアプリの権限を分け、使える機能を制限するといったきめ細かな設定をすることも可能です。
PDCAでは遅すぎる!?グロースは“OODAループ”で
――多くの企業が課題を抱えているアプリのグロース、リリース後のアップデートに関しては、いかがでしょうか。
小嶋:以前はいわゆるPDCAを回す手法が主流でしたが、それでは時間がかかりすぎるということで、最近アプリ開発の現場では「OODA(ウーダ)ループ」という方法を取り入れつつあります。これは、短期間に何回も「Observe(状況の観察、情報収集)」「Orient(状況理解、判断)」「Decide(意思決定)」「Action(実行)」を回していくというグロースハックの手法です。
たとえばTwitter公式アプリの場合、以前は2週間に1回グロースハックのループを回していたのですが、あるタイミングから週に10回グロースハックを行うようになりました。その結果、MAUが急激に伸びました。
この考え方は海外では主流になりつつあって、Netflixなら年間1,000回、Googleのアプリなら年間7,000回ものグロースハックを行っています。FacebookやInstagramのアプリも、ものすごい回数の学習・改善を行っているんです。私はこの手法を、日本企業のアプリグロースでも定着させたいと考えています。
――それほどの回数のグロースハックを、どのように実施しているのか気になります。
小嶋:当社ではシリコンバレーの「Amplitude(アンプリチュード)」というツールと提携し、分析で活用しています。これはあらゆるプロダクトの成長に必要な行動分析を行うツールで、たとえば「マジックナンバー」をデータから導き出すこともできるツールです。
アプリには、たとえばTwitterならアカウントを作ったらまず5人フォローすると使い続けてくれる、Facebookなら10日以内に7人と友だちになると使い続けてくれるという「そのプロダクトを継続的に使ってもらうための鍵となる数字」があるんです。それをマジックナンバーと呼びます。
当社でお手伝いしている飲食企業様のアプリでは、ある機能を3回使ってくれた人は、アプリを使い続けてくれることがわかっています。こうした情報は、これまではデータサイエンティストの膨大な時間をかけた分析作業で導き出していたわけですが、Amplitudeによって簡単に導き出せるようになりました。ModuleAppsはこのAmplitudeと連携することによりまず誰もがまずデータを見て分析できる環境を提供しています。
カスタマージャーニーについても、データドリブンで導き出せるようになっていきます。我々は、このAmplitudeを使ったアプリの“勝ちパターン”をModuleApps以外のすべてのアプリでも使っていただけるような取り組みも実施しています。アプリのグロースハックに課題を感じている方がいたら、ぜひご相談いただけるとお手伝いできるかと思います。