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「実名か匿名かは問題ではない」ギブリーが“Conversation Tech”で目指す1to1マーケ

情報があふれる今だからこそ企業からの提案が必要

 このように、デジタル上でも積極的に顧客に対してヒアリングができれば、より多くの顧客にひもづく情報が得られ、リアル店舗で行われているような接客が可能になる。これまでデジタルでは「どこから流入した」「どのページを見た」といった行動データを取得し、それに沿ったアプローチがなされてきたが、Conversation Techの発展により、有人対応でなくてもユーザーとデジタル上で双方向コミュニケーションを図れるようになっているのが現状だ。実際に、先進企業ではチャットボットを使った“攻め”のマーケティングを実践し始めている。

 これは企業のマーケティング機会を広げる策であるとともに、昨今の情報環境の変化により、実は現代の生活者側から暗に求められていることでもある。背景には、2つの事象がある。

 ひとつは、ネットとスマートフォンの普及によって、生活者があふれる情報から自分に合った情報を選びきれなくなっていること。この十数年で、検索サイトをはじめとしてブログやSNS等々、生活者の情報収集チャネルは膨大に増えているが、だからこそ自分に本当に必要な情報や本質的に有効な情報を選ぶことが難しくなっているのだ。「企業からの情報発信チャネルも同様に増えていると言えますが、この状況下では企業のコンテンツも過剰になりすぎて、希少性がなくなっています」と大熊氏。

チャットボットでの“攻め”のマーケティングという新手法

 デジタルでの積極的なヒアリングが生活者側からも求められている、もうひとつの背景は、長い人類史の中で今また大きな社会的変革の時代を迎えていることだ。狩猟社会に始まり、農耕社会、工業社会、さらに20世紀の情報社会を経て、現在は「ソサエティ5.0」と呼ばれる超スマート社会への過渡期に突入している。

 「ソサエティ5.0は、AI駆動型の社会です。ユーザーが自分で情報を探すのではなく、AIが情報を提供する時代になっています。まだあまり日常生活では身近に感じられていないかもしれませんが、リードプロダクトであるAIスピーカーは家庭に広がってきています。つまり、ユーザー自身が何かを選ぶのではなく、提案を受けることが当たり前になりつつあるのです」(大熊氏)

 こうした背景に、チャットボットを使ってヒアリングをしていくという“攻め”のマーケティング手法が合致し、今デジタルでもまるでリアル飲食店の接客のような対応が行われ始めているという。ギブリーの「SYNALIO」はチャットボットで得たユーザーへのヒアリング内容=“会話データ”を取得し、その分析を通して背景やニーズを把握し、1to1マーケティングの推進を支援する。

 例として大熊氏が紹介するのは、「Lifestyle & .Coffee」というコーヒーのECショップだ。自分に合ったコーヒー豆を選ぶことは難しいため、サイト訪問時にチャットボットを通して飲む頻度やシチュエーションをヒアリングしていき、適した豆を提案している。「ポイントは、情報を探してもらうのではなく、提案すること。そのためには顧客を深く知り、次に1to1の提案で導くというステップが必要です」と大熊氏。

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「実名か、匿名か」を問わずに温度感を測っていく

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/04/23 11:00 https://markezine.jp/article/detail/33092

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