SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

半歩先行くコンテンツマーケティング 「独自性」を紐解いて活用する

面白いアイデアはどうやって生み出すの? バーグハンバーグバーグの緻密なノウハウに迫る

 コンテンツマーケティングの独自性やオリジナリティはどう出せばいいのか? を解き明かすべく中山氏が東奔西走する本連載。最終回となる今回は、おもしろコンテンツ制作プロ集団のバーグハンバーグバーグさんへの突撃取材です。山口むつおさん(執行役員)と原宿さん(オモコロ編集長)に、バズを得意とする彼らの緻密なノウハウと方法論を聞きました。

そのまま実用レベルで使えるネタをブワ~っと出してしまいます

中山:何回かバーグハンバーグバーグさんとはお仕事をさせてもらいましたが、「アイデアの具体性がハンパない」ことにいつも驚かされます。提案段階で「もうこのままサイトにすればいいんじゃない?」ってレベル。

山口:ありがとございます。

山口むつおさん:バーグハンバーグバーグの創業メンバーであり、執行役員。

中山:何かポリシーとかあるんですか?

山口:とにかく具体的なサンプルを見てもらったほうがわかりやすいだろうなって思っています。

中山:freee時代にお願いした「タックスシャーク」のときもそれは感じました(※freeeは中山氏の前職)。

<タックスシャークとは>
確定申告をせず、かつ水辺にいる者を襲う海の悪魔「税金ザメ(タックスシャーク)」が牙を剥く! 本格パニック映画風予告映像

山口:「こんな企画をやりたいです」って伝えて、こういうネタをやります、こんなネタもやりますっていう具体例がないと……我々は深く考えてこの結論に至ってますけど、クライアントさんからしたら、いきなり「税金ザメが襲ってくる架空の映画を作ります」とだけ言われてもわからないと思うので。

 

中山:なるほど。

山口:企画の面白さを理解してもらえるように、そのまま実用レベルで使えるネタをブワ〜っと出してしまいます。ビジュアルに落とし込み、セリフはこう……というところまでブレイクダウンすることが多い。僕らは尖った企画案を出すことが多いけれど、相手に企画が持っているノリまで理解してもらえるような提案は得意かなと思います。

中山:しかも、アイデアを惜しみなくいくつも出しますよね。

山口:いつもたくさん出すわけではないのですが、タックスシャークのときは色々思いついてしまったので、5つぐらいご提案した記憶があります。

企画会議は朝イチ&勝者は2,900円のとんかつランチ

中山:バーグハンバーグバーグさんといえど、面白くしづらい商材ってあるんですか。

山口:昔はBtoB向け商材で苦労することもあったんですが、「とにかく難しいことを面白く解説すればいいんだ」ということに気づいてからは、克服した感があります。

中山:アイデアをひねり出す時のお作法はあったりします?

原宿:火曜と木曜の週2回、午前中にネタ出し会議をします。ここでその期間までにもらっている案件のネタ出しを全員でガーっと進めます(※現在は完全リモートで会議しているそう)。

原宿さん:バーグハンバーグバーグ創業メンバーであり、オモコロ編集長。

中山:会議形式で?

山口:プレゼン合戦ですね。お題が発表されて、3チームくらいに分かれて、それぞれのチームがアイデアを練るんです。40分経ったら全員集合して、各チームからプレゼンターを出して発表します。

中山:1つのお題を3チームで考えるということですか?

原宿:そうです。最後は全員が自分のチーム以外に対して目をつむって挙手し、多数決でベストアイデアを決定します。実際に提案に持っていくのは、これを含めた良いものを数案となることが多いですね。

中山:意外にアナログ……。

原宿:昔は皆で集まってああだこうだずっと話しながらアイデアを出していたんですけど、今はシステム化しています。チーム戦にして戦わせると盛り上がるし、プレゼンによって企画が持つノリも見えてくるので良い感じです。

中山:ちょっと面白そう。

原宿:参加感がないと他人事になっちゃうので、発表することで責任を負わせる。立場や役職に関係なく、誰でも発表者になる可能性があります。

中山:これを毎週2回やってるんだ。

山口:1日で複数案件やる日もあります。我々は「ネタ出しポイントレース」と呼んでいるんですが、プレゼン大会でもっとも票を集めたアイデアを出したチームの参加者に1ポイントずつ付与されます。ちなみにチームは毎回シャッフルされ、固定ではありません。よって人に対してポイントがつく仕組みです。

原宿:ポイントが積もっていって、毎月月末の結果発表で上位5人が“いいランチが食べられる”というご褒美があって。経費で1人3,000円まで使えるんです。代官山に2,900円する「ぽん太」ってとんかつ屋のランチがあるんですが、これがめちゃくちゃ美味い。皆、ぽん太のランチが食べたいから頑張る。

中山:ゲーム感覚で楽しんでいるんですね。

山口:この仕組みにしてから、明らかにアイデアが出やすくなりましたね。

原宿:数が出るようになったのに加え、ダラダラしないのが良い。皆で集まってブレストってなると、いたずらに時間ばかりが過ぎやすいじゃないですか。

山口:以前は昼過ぎにやっていたんですよ。でも、食後って眠くなるじゃないですか、お腹いっぱいで。それである時、「午前中にやったほうが効率がいいのでは?」と気づいたんです。それからは朝イチからネタ出しをするようにしました。そこに気づくまでに創業から8年かかりました。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
ネタ出しを毎日しているから「企画の基礎体力」が高い

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
半歩先行くコンテンツマーケティング 「独自性」を紐解いて活用する連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

中山 順司(ナカヤマ ジュンジ)

SEO・ソーシャル・動画の3領域でのコンテンツ企画と制作が得意な生粋のコンテンツクリエイター。ソフトバンク、楽天トラベル、Six Apart、freee、ファベルカンパニーを経て2024年に独立。コンテンツマーケティングを専業とし、オウンドメディアとYouTubeの設計 / 企画 / 執筆 / 編集 / 分析 / 改善 / SEO を幅広く行う。MarkeZine、Web担当者Forum、ねとらぼ、WorkshipMAGAZINE等で執筆しつつ、Content ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/04/24 09:00 https://markezine.jp/article/detail/33145

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング