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イベントレポート

「デジタル変革は新たなDNAを生み出している」Adobe CEOが語る2020の顧客体験に必要なこと

 3月31日(米国時間)にAdobeの年次カンファレンス「Adobe Summit 2020」がオンラインで開催された。新型コロナウイルスの影響下で例年のオフラインイベントを中止し、オンデマンドでの配信になった。本記事では、同社CEOのシャンタヌ・ナラヤン氏がキーノートにおいて語った、顧客体験管理の重要性、そのために企業が意識すべきことを中心にレポートする。

消費者トレンドを計測する新たな手段

 「これまでにも問題を解決するために数々のデジタル変革がなされてきました。しかし、今以上にデジタル変革が求められるタイミングはありません」と語るのは、AdobeでCEOを務めるナラヤン氏だ。世界的パンデミックとなった新型コロナウイルスの影響により、Adobeでもすべての従業員の在宅勤務、オフラインイベントの中止といった措置を取っている。

 「対面式の会議をオンライン上の会議にするのも、顧客を仮想空間に引きつけるのもテーマは同じです。デジタルは互いがやり取りする方法を変革します。数ヵ月前、Adobeが語っていたのは、快適でパーソナライズされた、顧客の期待にリアルタイムで応える体験でした。今はデジタル世界で重要なニーズをサポートすることに尽力しています」(ナラヤン氏)

 ナラヤン氏は、過去のデジタル変革を振り返った上で、デジタルが生活だけでなく経済をも推進していると言及。デジタル世界の消費者トレンドを計測する新たな手段として、デジタル経済指標「Adobe Digital Economy Index」の提供を開始したことを発表した。

キーノートではAdobe Digital Economy Indexのデータのサンプルとして、コロナ禍において見られた米国のECにおける売上の上昇や、オンライン食料雑貨の売上の成長率など示された
キーノートで発表されたAdobe Digital Economy Indexのデータのサンプル。コロナ禍においてECにおける売上は
米国で25%、英国で33%上昇。米国におけるオンライン食料雑貨の売上は前週比2倍に。
オンラインで購入して店頭で受け取る人が63%上昇、自宅で使用できるフィットネス器具の売上が55%上昇した。

 このデジタル経済指標は、同社がトランザクション、製品、小売事業者から収集した大量のデータを基に、グローバルにおけるデジタル経済をリアルタイムに評価するものだ。対象地域には当然日本も含まれている。

 「デジタル経済指標から得られるグローバルトレンドの詳細なインサイトにより、お客様はリアルタイムでビジネスを調整することが可能です」(ナラヤン氏)

美しさだけでなくインテリジェントな設計に

 現在多くの組織がデジタルビジネスへの変革に踏み出している状況だが、ナラヤン氏は「私達が2020年に直面する環境は、その必要性と緊急性を加速させる一方だ」と述べる。Adobe自身のデジタル変革、他のビジネスリーダー達の意見から持ち上がってきたといういくつかの「重要なテーマ」を語った。

 「第一に、人々が買うのは、商品ではなく、エクスペリエンスです。顧客は、パーソナライズされ、簡単で効率的なやり取りを欲しているのです。入念に設計され、コンテクストに即した、シームレスで安全なエクスペリエンスが望まれています。

 顧客の信頼とロイヤルティを獲得するためには、誰よりも顧客のことをよく理解し、顧客が求めているものを必要なときに確実に届ける必要があります」(ナラヤン氏)

Adobe 会長 社長兼CEO(最高経営責任者) シャンタヌ・ナラヤン氏

 このような体験の提供、そのための顧客理解が理想だとして、現実の企業が実現するために越えなければいけないハードルも高いはずだ。ナラヤン氏も率直に「容易ではない」と述べる。ここで企業に求められる実際のやり方とはなんだろうか。

 実現に向けてAdobeが出した答えの一つが、新たに開発した「Real-Time Customer Profile(リアルタイムカスタマープロファイル)」だ。これはAdobeの提供する「Adobe Experience Platform」に搭載された機能で、企業全体に散在する数百のデータポイントを統一し、アクションにつながるインサイトを即時に提供する。

 ナラヤン氏は今企業が求められることを「コンテンツやデータやAIを融合して、訴求力があり、顧客の期待に見合うパーソナライズされたエクスペリエンスをリアルタイムで提供すること」だと語り、「美しいだけでなくインテリジェントな設計にする必要がある」と表現した。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/05/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/33321

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