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カスタマーマーケティング、その本質と実践

カスタマーサクセス視点から「カスタマーマーケティング」について考える

顧客とサービス提供側、両者が果実を得られることを目指す

4.サクセスを中心に考えたマーケティングを展開する場合、成功体験を持ったインフルエンサーの協力を得るという発想に行き着き、アドボケイトとバイラリティが重要になる

 現在、BtoB SaaSを中心にコミュニティマーケティングが流行していますが、この潮流もカスタマー“サクセス”マーケティングで説明することができます。これまでの説明のとおり、カスタマーマーケティングでは、マーケティングコンテンツも顧客のサクセスを中心に作成します。その際、顧客間のコミュニティが上手に形成されていれば、成功した顧客はサクセスシンボルとなり、他の顧客の模倣の対象となる流れができます。そしてこれはコミュニティマーケティングの中心概念そのものでもあります。

 これは新規向けのBtoCマーケティングで行われる、インフルエンサーマーケティングと基本思想を同じにしながらも、共通の目的(そのサービスを使ってサクセスすること)を持つ人どうしが知識をシェアしつつお互いを高めあう、というコミュニティならではの効果ももたらします。

 そしてここでもサクセスがその中心概念となっており、カスタマーマーケティングを仕掛ける側としては、サクセスした顧客がコミュニティの中でその価値を十分に発揮できるように全体設計を行い、顧客とサービス提供側の両者が果実を得られることを目指します。

重要なのはサクセスをもたらす手法とその再現性

 以上、1~4を細かく考察した結果、「顧客をサクセスに向かわせるため、再現性のある手法を確立する」ことこそ、カスタマーマーケティングの目指すべき形と言えそうです。これまでカスタマーマーケティングを語る時は、「対象とする顧客(既存顧客かどうか?)」や「手法論(テックタッチ等)」に目が行きがちでしたが、そうではなく、顧客のサクセスを目的とした再現性のあるマーケティング手法を追い求めることこそが、カスタマーマーケティングのあるべき姿なのかもしれません

 私はこれまで、カスタマーサクセスの観点からカスタマーマーケティングに向き合ってきましたが、「カスタマーマーケティングではなくて、カスタマー“サクセス”マーケティング」という思想を手に入れたことで、今まで以上にその対象と目的をクリアにしながら活動をできる自信が湧いてきました。そしてこれからは、皆さんと共にこの思想に対して様々な議論を交わせることを楽しみにしています。

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この記事の著者

山田 ひさのり(ヤマダ ヒサノリ)

大学卒業後、ゲームプログラマーとしてキャリアをスタート。 その後Web開発のPG/SEを経て、スタートアップのビジネス開発に興味を持つ。 2013年「世界を変える新たなビジネスを」という考えに共感し、Sansan株式会社に入社。現在はSansanのカスタマーサクセス部で、全体戦略の立案と既存顧客とのエンゲージメント...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/06/02 09:00 https://markezine.jp/article/detail/33402

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