リアリティーをあえて設計する
MZ:では、3つ目のポイントは?
宮内:3つ目は「リアリティーを設計する」ことです。そのために新R25で意識していることはいくつかあるのですが、企画の段階で“人と企画のマッチング精度”を高めることがポイントだと考えています。
具体的には「インタビュアーに読者や消費者を憑依させる」ことを意識しています。たとえば、新R25の代表コンテンツである「マネ凸」では、編集長の渡辺が「読者が今まで聞きたくても聞けなかったことを聞く」というフレームでコンテンツを作っています。そうすることで、「聞けなかったことを知ることができる」という価値が生まれ、支持を獲得できたと考えています。
広告コンテンツでも、田端信太郎さんと大和アセットマネジメント様の「iFreeレバレッジ」の対談企画では、あえて田端さんと編集部のメッセージのやりとりを記事内に載せたり、動画内で担当者が田端さんに詰められて「ヤバい……」となっている部分をわざと残したりしているんです。そういったハプニングや人間らしさ、「担当者の苦悩」といった広告では排除されがちな“綺麗ではない部分”を残す。そうすることでリアリティーが生まれるのです。最終的にはポジティブなものに仕上げつつも、こういった臨場感を残すことを大事にしています。

MZ:ありがとうございます。確かに『iFreeレバレッジ』の事例は、1回目の対談で田端さんにダメ出しされた点を踏まえてリベンジ提案の記事が出るなど、リアリティーがありますよね。
宮内:インフルエンサーマーケティングでも“リアリティーの追求”が必要だと思います。しかしながら、インフルエンサーと企業の間にメディアの編集権が存在していないので、リアリティーを“設計”するのは難しい。しかし、私たちはメディアとしてある程度コントロールできるのが価値であると考えています。
拡散され続ける広告の作り方
MZ:なるほど。それでは、4つ目のポイントについても聞かせてください。
宮内:4つ目は「コンテンツフレーム」によってヒットの再現性を追求することです。
元々新R25は、「スマホ時代のコンテンツブランドを作る」という発想からスタートしています。なので、コンテンツの単品消費ではなく、そのコンテンツがTwitterやYouTube、Facebookに出た時にも「新R25だ」と思われるような共通体験を喚起することを意識しています。そのために新R25では、どのコンテンツでもかけあいのフォーマットや「1分半でワンメッセージ」といったフレームを決めることを徹底しているんです。
先ほどお話ししたように「人を立てた企画」にしつつも、人依存にならずに企画で拡散されるための土台となるフレーム作りを徹底する。そうすることで、再現性高く拡散されるようになると考えています。