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I&COレイ・イナモト氏が描く、店頭体験の進化 ユニクロ新店舗「StyleHint原宿」の狙い

 2020年6月、ユニクロは次世代型店舗として「StyleHint原宿」をオープン。壁一面に240台のディスプレイを配置し、オンラインとオフラインを融合させた“新しいショッピング体験”を提供している。同店舗のプロデュースを担当したI&COのレイ・イナモト氏に、「StyleHint原宿」のコンセプトや昨今の小売業界が抱える課題、今後のあるべき姿などを聞いた。

柳井社長の言葉から「スタイリングの検索エンジン」を考案

――2016年、ビジネスの新開発やブランディングを手掛けるBusiness Invention Firmとして設立された「I&CO(アイ・アンド・コー)」。昨年7月には、日本企業のビジネスインベンションに乗り出すため「I&CO Tokyo」も開設されましたが、今回のプロジェクトはいつ頃から開始されたものなのでしょうか?

レイ氏:I&COとしてユニクロとプロジェクトをご一緒し始めたのは4年ほど前、ちょうど柳井社長が「ファーストリテイリングは、製造小売から“情報製造小売”へ進化する」と言われ始めた時期でした。

 情報製造小売とは、“情報”というソフトなものと、“製造”というハードなものをくっつけたビジネスを指すのだと思うのですが、柳井社長はしきりに「服は情報だ」と述べられていて。すごく概念的な言葉なので、最初はどういうことなのか、皆さんちょっとぽかーんとして聞かれていましたね。

レイ・イナモト氏
Creativity誌の「世界で最も影響力のある50人」やForbes誌の「世界の広告業界で最もクリエイティブな25人」に選出され、ニューヨークを拠点に世界を舞台に活躍しているクリエイティブ・ディレクター。2016年にビジネスの新開発やブランディングまでを手掛けるBusiness Invention Firmとして「I&CO(アイ・アンド・コー)」をニューヨーク・ブルックリンに設立。2019年7月には、日本企業のビジネスインベンションに乗り出すため「I&CO Tokyo」も開設した。

――それに対し、I&COさんとしてはどう応えていったのでしょうか?

レイ氏:まず、「服を情報として扱ったときの体験」を考えるところからスタートしました。そして、そこから生まれたアイデアが「服の検索エンジン」です。

 何か情報を得たいと思ったとき、私たちはGoogleやYahoo!を使って検索しますよね。では、服はどうでしょうか? 当時、服を買うために調べたいと思っても、特定の場所がなかったんです。今だったらInstagramがあって、服やスタイリングの写真がいっぱい出てきますが、Instagramは服に特化したプラットフォームではないので、自分で選んでキュレーションして見なければなりません。

 そこで、服の検索エンジン、それもただの検索エンジンではなく、「スタイリングの検索エンジン」があるといいんじゃないかということを3年ほど前に提案させていただき、それがようやく形となったのが去年の秋にリリースした「StyleHint(スタイルヒント)」というアプリです。

新たなスタイリングに出会える「StyleHint」

――今回、「StyleHint原宿」とも連携したアプリですよね。どういったアプリなのでしょうか?

レイ氏:「StyleHint」は、カメラで撮影した写真や保存した画像から、世界中の着こなしを検索でき、服の新しい着こなしが発見できるというアプリです。たとえば今持っているトップスの写真を撮ってアップすると、そのトップスに合うスタイリングがたくさん出てきます。その中から新たな着こなしを見つけることができ、また気に入ったアイテムがあればそのまま購入することができます

 購入できる商品はユニクロ・GUのものとなりますが、手持ちのアイテムはどのブランドのものでも大丈夫です。

――ユニクロ以外の商品でもスタイリングが検索できるのですか?

レイ氏:はい、ユニクロは元々商品数が膨大なので、画像認識技術で似たアイテムを瞬時に見つけることができます。

 そして、この「StyleHint」と連動した店舗が、今回オープンした「StyleHint原宿」です。

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オンライン×オフラインが融合した「StyleHint原宿」

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

1993年生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。Web記事に加え、定期購読誌『MarkeZine』の企画・制作、イベント『MarkeZine Day』の企...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/09/03 07:00 https://markezine.jp/article/detail/33718

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