カギはTwitterネイティブに問いかけること
MZ:今回の施策を通じて得られた気づきや学びがあれば教えてください。
小山:改めて、Twitterとマンガの親和性の高さを感じることができました。キャンペーンのハッシュタグ(#全巻あげちゃうから読みたいマンガ教えて)を付けて、様々なマンガ作品名をツイートしてくれたのですが、マニアックな作品の投稿が特にバズっていました。しかも、よく見るとバズってるツイートのフォロワーは数人しかいないってことも。
そのような出来事がキャンペーン期間の10日間で広がっていき、マンガ好きな方がハッシュタグを検索し反応してくれていたのだと推測できます。今回のように、サービスと親和性の高いキャンペーンを作り、いかに会話を引き出せるかがTwitter活用においては重要なのだと、勉強になりました。
小島:広告に関しては、Twitterネイティブな人々に楽しんでもらえる設計作りの重要性に気づきました。普段はマンガに興味関心が高いと想定される利用者を中心にターゲティング設計をして広告を配信しますが、今回は全てのTwitter利用者の目に入ることを特に意識しました。
その上で、認知目的の広告だからといってマスマーケティング的に一方的にメッセージを届けようとするのではなく、利用者にTwitterライクな問いかけをすることによりメッセージを自分ごと化してもらえるよう工夫しました。これが成功につながったポイントだと実感しています。特にプロモトレンドは、投資としては安くないので、意味のあるものにするためにもこの観点は重要だと思います。
そして、認知目的だからとプロモトレンドだけを切り離して考えるのではなく、それを軸にMAPや他の要素に相乗効果を生み出す設計の必要性や細かな調整のコツは、次回に生かせる学びとなりました。
マンガファンの会話を気持ちよく引き出す
MZ:今後、Twitterをどのように活用していきたいですか。
小山:私はTwitterアカウントの運用も担当していますが、Twitterには嗜好の異なるマンガファンが大勢います。その方たちは発信に対する意欲も高いので、その人たちから会話を気持ちよく引き出していきたいです。そのためにも、今回のような施策を戦略的に繰り返したいと思います。
また今後、フォロワーの方とのリプライによるやり取りも広げることも検討しています。今回のキャンペーンの当選通知をDMで送ったのですが、すごく嬉しいメッセージをくださる方も多く、中には何度かやり取りをした方もいました。今後はよりオープンな場で、フォロワーの皆さんと中の人としてコミュニケーションをとりたいです。
MZ:では、最後に小島さんからもTwitter広告に関する展望をお願いします。
小島:世の中のトレンド以上に、Twitterのトレンドは早く移り替わります。そのため、広告代理店さんの力をお借りしつつ、Twitterのトレンドを逐一チェックしながら広告のPDCAを素早く回したいです。
すぐに実践できるのは、Twitterのクリエイティブ表現の改善。Twitter内でよく使われるツイート表現やマンガを紹介するフォーマットがトレンドに沿ったものかどうかは、今後も意識し、スピード感をもって制作に反映していきたいと思っています。
また、今後は準顕在層のTwitter利用者を対象とした、サービスや作品の理解促進もTwitter広告の活用により実現できると考えています。これまでは、顕在層のダウンロード獲得を目的としてMAPを中心にTwitter広告を運用し、今回潜在層を含むTwitter利用者への認知を主な目的としてプロモトレンドを実施し、成功を収めました。
そして、今後はユーザーを巻き込む会話型の施策やスポンサーシップ施策を積極的に活用し、エンゲージメント獲得を意識した広告展開を行っていきたいです。これにより、フルファネル設計をより強固なものとし、LINEマンガとTwitter広告の親和性を今まで以上に高めることができると期待しています。