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第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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実践!マーケティングアカデミー

定期購読のみで実売数32万部超え!シニア女性から絶大な支持を集める『ハルメク』の徹底的な顧客視点

 雑誌不況と叫ばれるこの時代に、実売数32万部を超える定期購読誌『ハルメク』。50代からのシニア女性をターゲットとする同誌は、雑誌を軸に通販とイベントの事業も展開し、多くの読者から愛されています。オンライン/オフラインの枠を超えた、読者との丁寧なコミュニケーションについて聞きました。

※本記事は、2020年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』55号に掲載したものです。

ハルメクの価値は、雑誌と体験のパッケージ

株式会社ハルメク ハルメク編集長 山岡朝子氏(写真左)
「毎月届く約2,000通の読者ハガキを、1枚ずつすべて読んでいます!」

株式会社ハルメク 文化事業部 木村徹己氏(写真右)
動画視聴が初めての読者のために、使い方マニュアルを作成し、送付しました。

――まず、ハルメクのビジネスモデルについて教えてください。

山岡:1996年に創刊したハルメクは、ご自宅までお届けする、年間の定期購読誌です。読者は50代からを想定し、メインの読者層は60代から70代と、長くお付き合いいただける雑誌です。また、プライベートブランドも含めたファッションをご紹介する「ハルメクおしゃれ」と「ハルメク健康と暮らし」の通販冊子も一緒にお届けしています。事業としては、出版と通販が柱です。新聞広告やWeb広告をメインに宣伝し、お電話による購読のお申し込みが多いですね。

 あわせて、2018年からは「ハルメクWEB」もスタートしました。基本はどなたでも閲覧いただけますが、会員限定の記事もあります。雑誌とWebで人気の記事が異なり、Webの読者はどんな記事が好きなのか? と探りながら運営を進めているところです。たとえば、占いページはWeb限定です。骨太の記事やインタビュー、また医師の監修がついた健康系の記事など、雑誌の強みを活かしたWebコンテンツを公開しています。

 読者は、お子さんが独立したり、年金を受給し始めたりと、新しい生活をスタートされたアクティブシニアの方々。自分自身のことに関心をお持ちで、おしゃれをしたい、新しいことを学びたいと、チャレンジする意欲がいっぱいです。そんな読者に寄りそい、悩みや困っていることの解決、そして知りたいことに応えることを中心としたコンテンツ作りを徹底しています。そして、このコンテンツ作りを支えているのが、「生きかた上手研究所」という社内シンクタンクの存在です。読者アンケートや座談会を行い、シニアのニーズ、ライフスタイルに特化した研究を行っています。

 さらに、読者を対象としたイベントも実施しています。誌面でインタビューに登場いただいた方の講演会や、一緒に体操をするワークショップなど、誌面企画を体験できる内容がメインです。読者へ情報だけでなく、体験もパッケージでお届けするのが、ハルメクの価値なのです。

――イベントの目的は、収益ではなく、読者の満足度を高める体験の提供なのですね。

木村:はい。イベントは雑誌連動型ともうひとつ、読者ニーズを考えた企画も展開しています。たとえばウォーキングイベントは、植物ご専門の先生による解説を受けながら、一緒に歩きます。みなさん、「歩かなきゃ」という意識をお持ちで、お散歩はされていらっしゃる。けれども、だんだん飽きてきて、歩くことが楽しめなくなってしまうんです。ならば、「ハルメクからいろいろな形のお散歩を提案しよう」と、企画が立てられました。他にも、建物の歴史を学びながらのお散歩や、レインボーブリッジを歩いて渡るウォーキングイベントもあります。また、みんなで歌を歌うイベントも人気です。プロのオペラ歌手やピアニストを招いて、本格的に取り組みます。シニアの女性が、今何に興味を持ち、チャレンジしたいのか? にこだわって、東京を中心に、大阪、福岡など、年間230回ほどイベントを行ってきました。このようなイベントを通して、ハルメクというブランドを、より好きになっていただきたいと考えています。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

1993年生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。Web記事に加え、定期購読誌『MarkeZine』の企画・制作、イベント『MarkeZine Day』の企...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/07/27 15:30 https://markezine.jp/article/detail/33880

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