継続購入には「映え」よりも「リアルな体験」
継続購入の促進には、長期的でロイヤリティの高い「顧客の声」が反映されたUGCが効果的です。
これまで、従来型EC企業で「顧客の声」と言えば、購入者アンケートやカスタマーサービスやお客様窓口に寄せられるVOC(Voice Of Customers)だけを指していたかもしれません。しかし、D2C型ECでは既存顧客との継続的なコミュニケーションの中で体験や感想を発信してもらえる仕組みを作ることで、VOC(Voice Of Customers)をコミュニケーションの中でコンテンツ化し、既存顧客からの深い体験に基づいた効果効率の高いUGCとして活用することが可能になります。
温度感が上がりやすい対面のコミュニケーションからは熱量の高いUGCが生まれやすいので、ファンミーティングなどもおすすめの施策です。
購入継続へのUGC活用
◆注目すべき指標=継続率
◆必要なUGCのタイプ
・継続利用している顧客の経験談
・SNS映えよりも、リアルな体験
・開封実況や複数回レビュー
◆生み出すためのコミュニケーション
・継続利用している顧客に対してCRM的にSNS投稿やレビューを依頼する
◆実際の施策例
・購入N日後にSNS投稿やレビュー投稿を依頼するCRMメールやLINEを配信
・投稿者に対してインセンティブを付与することで投稿率は向上
・CRMの一部に組み込むことが難しい場合は、長期モニター施策を実施し一定期間サービスを継続利用してもらうグループを生成し、継続利用した感想をUGCとして投稿してもらう
・ファンミーティングなどの顧客ヒアリングの場所で収集
◆UGC活用場所案
・CRMコンテンツ(Eメール、LINE)
・ECサイトやマイページなどのWebサイトコンテンツ
・同梱
◆事例:オイシックス・ラ・大地株式会社「大地を守る会」
「食材の定期宅配サービスを利用するイメージが持ちづらい」という心理的ハードルを下げるために、「定期コースを取り入れた生活」の具体的なイメージとして伝えることを重視した、定期引き上げ用LPを作成。実際のサービス利用者が「大地を守る会」の食材を使って調理した料理のUGCを掲載しています。定期商品購入後の「顧客体験」を可視化したUGCによって、サービス利用のイメージを高めることに成功しました。

すべてのコミュニケーションはUGCにつながる
D2Cモデルの「顧客起点」マーケティングでは、UGCに触発されて自身も欲しくなる、語りたくなるという今どきの生活者心理が構造化され、マーケティングフレームに融合されています。
そのため、顧客との継続的な関係を構築し、世界観やコンセプトを体現した商品を体験として提供し続けた結晶がUGCであると考え、この「コミュニケーション」に投資することで、さらに体験が豊かになりUGCの質が向上し、戦略的UGC活用を加速していくことができます。
戦略的UGCの活用が広がると、広告は新しいコミュニケーションのきっかけとなる役割を取り戻します。購買が豊かなライフスタイルを作る、生活者にも企業にも幸せな消費社会がD2Cモデルによって切り開かれつつあるのです。