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事例に学ぶ、Withコロナ時代のブランディング・PR術

2020/08/25 14:00

 新型コロナウイルスの感染拡大により、企業の経営方針や広報戦略は社会の動きに合わせて随時判断することが今まで以上に求められています。ブランディングにつながる情報発信に重要なのは、「新規性」「社会性」「利便性」という3つの視点ですが、こういった未曾有の事態においては、社会的に意義のある「社会性」要素が最も重要視されます。本コラムでは、コロナ下において「社会性」のある情報を積極的に発信することにより、自社のブランディングにつなげ、認知拡大を図ってきた企業の事例を紹介。またその成功要因を紐解くことで、「Withコロナ時代のブランディング・PR」のあるべき姿を理解し、自社の広報・PR活動に取り入れる方法を紹介します。

目次

※本記事は、2020年8月25日刊行の定期誌『MarkeZine』56号に掲載したものです。

世の中が好む“ニュース性の高い情報”とは?

 世の中に情報を発信する際には、「新規性」「社会性」「利便性」という3つの視点が重要です。「新規性」とは、「多くの人があっと驚く新しさ、将来性を感じるもの」で、たとえば、国内初・画期的・唯一・最大規模といった要素が該当します。

 「社会性」とは、「時代や世相を表したもの」で、たとえば法改正や選挙、消費税増税、オリンピックなどの国や世界レベルの出来事のほか、少子高齢化社会や働き方改革、グローバル化といった時代の流れ、さらに5G、ビッグデータ、DX、SDGsといった社会トレンドなど、旬・タイムリーといった要素が該当します。

 「利便性」とは、「感動、関心、共感するもの」などで、情報の受け手の感動や共感を呼ぶことができる要素が該当します。

 そして、この度の新型コロナウイルス(以下、コロナ)のような未曾有とも言える危機的事態においては、特に社会的意義のある「社会性」が最も重要視されます。よって企業は、発信したい情報を、社会的な意義や消費者の利便性を意識した“社会に価値のあるニュース”として発信する経営方針や広報戦略を取ることが大切となります。

 緊急事態宣言を機に、世界各国の最新状況に加え、感染者数の推移やワクチン開発の実態、コロナにより経済状況がどのように影響を受けるかなど、報道機関各社のニュースはコロナ一色となりました。

 たとえば日経新聞を見ると、一面・総合面・経済面・金融経済面・働き方面・企業面・地域面で64記事あったうち、3月31日は約30記事がコロナ関連でした。一方、4月7日になるとコロナ関連は50記事と一気に増え、特に経済、金融経済、企業面にてコロナ関連の記事が増加していました。

 Webメディア「CNET Japan」の場合、最も目立つ場所に「新型コロナウイルス」という新カテゴリーが追加され、4月に入ってからコロナ関連の記事が9割程度と大きく占めている状態だったほか、Webメディア「Tech Crunch Japan」なども海外のコロナ関連ニュースの翻訳記事が多数といったように、4月1週目を起点に9割以上がコロナ関連の記事に置き換わっていったのです。

コロナ下における情報発信の優先度

 このように「社会性」が強く求められる前提を理解した上で、コロナ下における情報発信の優先度について整理したのが、以下の図です。

図表1 コロナ下における情報発信の優先度
図表1 コロナ下における情報発信の優先度

 第一に、緊急事態宣言が出ているような「コロナ下」における情報発信の優先度として、社会的に価値が高い情報を整理し、社内外の動向や、自社だけが保有する独自データをスピーディーに世の中に還元することが最も効果的です。社会的に意義ある情報を発信することで、多くの人々から好感をもたれブランディングにつながります。

 コロナ対策の新サービスや新商品を開発し提供開始するといった情報はもちろんですが、コロナによる自社サービスへの影響、自社の働き方や予定されていたイベントへの影響、今後のコロナ対策も貴重な社会性要素なのです。

 なお、緊急事態宣言がでている中では「社会性」が最優先のため、通常であれば注目を集めやすい「新規性」が高い情報も取り上げられづらいという点も意識しなければなりません。コロナに関連しないが「新規性」があり、通常時であればニュース性が高いと判断できる情報は、可能な限り発信を延期するなど時期を見極める必要があります

 発信延期が困難な場合は、業界専門誌やWebメディアなどの専門性のある媒体へ確実に提案し、コロナに関連しない情報を求めるメディア関係者からの関心を引く動きが良いでしょう。

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