パーソナライズD2CブランドのP/L責任を持つ
野崎:今回は2020年4月からD2Cブランドを展開するSpartyに転職された、上原涼子さんのキャリアを深掘りしていきます。まず、Spartyがどんなブランドを展開しているのか教えてください。
上原:Spartyはパーソナライズを基軸としたビューティーテックカンパニーです。現在ヘアケアの「MEDULLA」や、スキンケアの「HOTARU PERSONALIZED(ホタル パーソナライズド)」という2つのブランドを展開しています。両ブランドともに、Web上でカウンセリングを行い、お客様に合った配合のシャンプーや化粧水などを提供しています。
野崎:シャンプーの組み合わせはどのくらいあるのですか?
上原:約3万通りの組み合わせがあります。これだけのパターンがあるため、細かな好みの変化にも対応できるのが特徴です。
野崎:自分専用シャンプーは愛着が湧きそうですね。そんな注目のD2Cブランドを展開する同社での担当職域も教えてください。
上原:私はMEDULLAの事業責任者として、P/Lの設計から新規獲得施策の企画、各マーケティング施策の実行までを担っています。また商品開発に関しても、専門のメンバーと一緒に行っています。
アフィリエイト支援でWin-Winになる調整力を会得
野崎:事業会社マーケターへの転身を希望される方の多くは、「自社の売上や施策成果にコミットしたい」と思っています。集客だけではなくP/Lの設計や商品開発など、支援会社では入り込みづらい領域も担う上原さんのようなキャリアを形成したい方は多いはずです。
しかし、そこへたどり着くには様々なスキルセットを身に付けていく必要があり、具体的なキャリアプランを描けていないという悩みもよく相談いただきます。そこで、上原さんのキャリアからヒントをつかめればと思うのですが、1社目ではどういった業務を経験していたのでしょうか。
上原:最初に入社したのはセプテーニ・クロスゲートで、アフィリエイト(成果報酬型)サービスを展開する会社です。その中で最初の1年間はアフィリエイトサイトの立ち上げやSEOを経験しました。その後、アフィリエイトサイトの運営者と向き合い、アフィリエイトに出稿するクライアントに向き合うようになりました。
野崎:現在のP/L設計まで行う事業責任者の職域からは距離がある、アフィリエイトの支援からキャリアをスタートしたんですね。ここで得られたスキルで現在にも活かせていることはなんでしょうか。
上原:調整力です。出稿するクライアントと掲載するアフィリエイトサイトにとってWin-Winな提案ができないと成果も上がりません。そのための調整を各方面で行っていました。たとえば、自分自身も薬事法の専門資格を取り、アフィリエイトサイトが掲載する際のチェックなどを行っていました。これは事業会社のマーケターになって、とても有効なスキルだと感じています。
野崎:その頃から相手のことを考えて行動する、マーケティング感覚を身に付けていたのですね。ちなみに、日々キャリア面談をしていて強く感じるのですが、しっかりと自分の頭で考えて仕事をするクセ付けができている方は、選考シーンにおいて企業評価が明らかに高いです。