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売上アップにつながるSNSマーケティング

外出自粛でも沖縄とビールの楽しさを届ける EC売上約50倍の成長に貢献したオリオンビールのSNS戦略

コロナ禍でも昨年よりUGCが増加、EC売上にも好影響

いいたか:PDCAを回していく中で、特に追っていた指標や数字は何ですか?

石塚:KGIを売上に、KPIをUGCに定め、観察していました。そのほかに公式アカウントのフォロワー数、指名検索の数、Webの流入数など、様々な数値をモニタリング指標として追っています。

上符:オリオンビールとして特に意識していた指標は、エンゲージメントの高さです。フォロワーの少なかった頃からエンゲージメントは高かったのですが、フォロワーが多くなることによってファンとの濃いコミュニケーションが少なくなり、エンゲージメントが低くなるのではないかという懸念がありました。

 しかし、質の高いフォロワーによるアカウント基盤作りによって、エンゲージメントは高いまま、規模を拡大することができました。ビール業界の競合と比べても、非常に高いエンゲージメントを獲得できています。

いいたか:エンゲージメントのほかに、UGCや売上にはどのような成果が現れていますか?

上符:UGC数、指名検索数については、例年観光客やイベントの多い夏に高まるため、コロナの影響で落ちていてもおかしくない状況でしたが、施策の成果により前年比に対して伸びています

 またECでは、SNS活用と並行してサイトのリニューアルを行うことで、その相乗効果から昨年比で販売件数・売上が約50倍になりました。SNS上で接点を増やしたことによって、オリオンビールのファン、あるいはオリオンビールで沖縄に行った気分を楽しみたいという方がスムーズに購入できるようになったことも、この結果に貢献していると考えています。

石塚:SNSに注力し始めた4月から、UGCやモニタリング指標などが伸びています。観光客がピークの時期である昨年8月と比べても同等以上の数が出ています。特に最重要指標として定めている画像付きの投稿は、観光客が多かった昨年8月を上回っています。当然ほかにも様々な仕掛けがありますが、それを加味しても今回のSNS活用が貢献していることがわかると思います。

SNS上の言及数の推移を表したグラフ(2019年8月~2020年7月)。画像つきのUGCを表す黄色の折れ線を見ると、今年においても昨年8月と比べても変わりない数値まで伸びてきていることがわかる
SNS上の言及数の推移を表したグラフ(2019年8月~2020年7月)。画像付きのUGCを表す黄色の折れ線を見ると、
観光客が多かった昨年8月を上回る数値まで伸びてきていることがわかる

ユーザーの期待に応えるアカウントへ

いいたか:施策に取り組んでみて、気づいたことや学びになったことは何でしょうか?

上符:ユーザーの皆様の反応は本当に正直なので、宣伝感の濃いものなどオリオンビールに求められるイメージにそぐわない投稿では、エンゲージメントが伸びません。一方、「沖縄らしさ」「リゾート感」のある投稿はとても反応が良くなります。

 公式アカウントで「#エア沖縄」をつけて沖縄の写真を投稿し、行った気分を味わおうという提案をしたところ、エンゲージメントが高まりました。ユーザーから「すごく癒やされる」「自分も去年行ったときの写真をあげよう」といった反応があり、潜在していた沖縄に行きたい方々に上手く訴求できたことを実感しました。

石塚:オリオンビールさんのビジョンが「人を、場を、世界を、笑顔に」であり、SNSの施策でもビジョンの体現を重要視されていることを感じました。コロナ禍でネガティブな情報が多くなっている中でも、ユーザーにいかに楽しんでもらうか、笑顔にできるかを考えた結果、「#エア沖縄」のようなユーザー中心に広がるコミュニケーションにつながっていると思います。

いいたか:コミュニケーションが一方通行にならないように、企業のエゴにならないことが重要ですね。最後に今後の展望を教えてください。

上符:沖縄を代表する企業として、全国の沖縄ファンに共感してもらえるような投稿を心がけたいです。また、いわゆる企業アカウントではなく、ライフスタイルやカルチャーを伝えるアカウントとして「カタすぎない投稿」を心がけていきたいですね。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/10/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34290

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