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MarkeZine Day 2025 Retail

BtoBマーケティングの開拓者たち

コンテンツマーケティングの空振りを防ぐ

デジタルでの接点構築で忘れてはいけないこと

 ここまでで、自社、買い手(=ペルソナ)、買い手の成長物語(=カスタマージャーニー)の3つを明確にする重要性を理解していただけたかと思います。次に、デジタルで接点を作り始めるためには、“オンラインで自社を知ってくれている人はほぼいない”ということを肝に銘じる必要があります。これも、オフラインとオンラインの大きな違いのひとつです。再び展示会を例に挙げると、展示会は運営企業が大半の集客を行い、来場者がある程度保証された場所に自社のブースを設置することができます。そして、来場者がパンフレットを見ながら、興味のあるカテゴリーの企業が密集する区画へ足を運び、興味のある企業名から順番にブースへ立ち止まる、というのが一般的。このタイミングで、来場者に初めて売り手の企業名を知ってもらえるケースが多くあります。

 しかしながら、オンラインでは集客や自社Webサイトまでの導線を自社で準備しなければなりません。展示会はカテゴリー別に企業が分けられていますが、オンラインでは誰もそのようなことをしてくれません。しかも、フラッと立ち寄れるブースとは異なり、これまで接点がない人が、企業名を直接検索してWebサイトへたどり着くことはありません。オンラインで皆さんの企業名をわざわざ検索する人は、皆さんの企業名を知っている取引先か、商談フェーズに入っている企業、もしくは競合のみで、すでに接点がある企業ばかりでしょう。リモート環境下でも事業を成長させるためには、これまで接点のなかった買い手たちに、自社のことを気付いてもらう必要があります。そこで重要なのが、ペルソナとカスタマージャーニーを使って、買い手であるペルソナがどのような成長物語を経るのかを把握し、皆さんの企業と製品を知るまでの過程一つひとつに対して、マーケティング活動をすることなのです。図表2では、ここまでのペルソナとカスタマージャーニーに関する議論と、各段階において提供すべきコンテンツのタイプをまとめています。自社のコンテンツマーケティングを見直す際にぜひ活用してみてください。

図表2 カスタマージャーニーに応じたコンテンツ設計
図表2 カスタマージャーニーに応じたコンテンツ設計(タップで画像拡大)

 前述した「BtoBの買い手は自ら購買プロセスの57%を終了させている」という調査結果は、まさにペルソナの成長過程を表しています。その57%の過程を理解し企業活動を行わないと、デジタルネイティブが増加し、かつてないほど買い手の情報収集能力が増加している中、リモート環境でも、さらに進んだニューノーマルの世界でも、事業として成長し、生き残ることは、急速に難しくなっていくでしょう。

 次号では、企業名や自社名を知らない段階のペルソナをどのようにコンテンツで惹きつければよいかをテーマに、実践のポイント・ありがちな失敗談などを交えてお伝えします。

コンテンツって何?

BtoBマーケティングの世界では、ブログやWebサイトで情報を発信するケースが多いためか、「コンテンツ≒ブログ」と歪曲されていることが多々あります。そうではなく、あくまで自社のエンドユーザーやオーディエンス(つまりペルソナ)が価値を感じるチャネルで発信することが重要です。ペルソナが好むチャネルがブログならば、優先すべきコンテンツ(形式)は、ブログという具合に考えます。ちなみに私は、副業ライターとして書いたブログ記事がFacebookで2,000以上シェアされたことがきっかけで、コンテンツの世界に入り込みはじめました(次号へ続く)。

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この記事の著者

戸栗 頌平(トグリ ショウヘイ)

株式会社LEAPT(レプト)
代表取締役

複数BtoB企業と起業を経て、マーケティングコンサルタントとしてBtoB専業マーケティング代理店へ従事。その後、外資SaaSのユニコーン企業の日本法人立ち上げを行い、法人営業開始後マーケティング責任者として創業期の日本法人を牽引。現在、LEAPTにてBtoBマーケティング支援事業を行う。海外SaaS、マーケティング、カンファレンス等に精通。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/09/25 14:45 https://markezine.jp/article/detail/34324

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