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マーケ人材不足を救うか 深層学習の最前線

活用の注意点と発展可能性

 本稿では主に「人による判断」の時間を削減する目的で、2つの研究例を紹介した。深層学習は視覚情報のような数値化できるデータであれば、人による判断を代替できる可能性を秘めているが、100%の精度で判断することはできず、適用できる業務には限りがある。たとえば、10種類の物体から1種類を当てる場合、深層学習では「他の9種類の物体に対して相対的に予測確率が高い」という理由で判断が下される。そのためビジネス展開の際には、要求される品質レベルを考慮に入れながら、開発・活用していく必要がある。

 また、本稿で紹介した研究例は、いずれも過去データを対象としてモデル構築を進めたものであり、過去データがない場合は深層学習を適用できない。しかし、将来的に自らデータ収集を行う仕組みと組み合わせることができれば、人の判断根拠を学習していくことも叶うだろう。たとえば、テレビ番組やWeb動画、SNS等のデータを基に人は判断根拠を醸成するはずであり、その根拠をどのように確保していけるかは重要なテーマになりそうだ。これらのデータも電子化されており、深層学習が理解できる数値の世界に浸すことができるため、人と同じような学習プロセスを持つ革新的な深層学習の進化は、すぐそこまで来ているのかもしれない。

※1 深層学習モデル内の要素間の類似度、重要度を計算する仕組み。
※2 学習データを水増しすること。画像では、角度を変えたり、左右を反転させたり、輝度を変えたりする手法がよくとられる。

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この記事の著者

伊藤 友治(イトウ トモハル)

株式会社インテージ 事業開発本部 先端技術部 製造小売業、専門商社を経て、インテージに入社したデータサイエンティストです。主にマーケティング課題解決に対して、所謂データサイエンスの力でお手伝いしてきました。現在、画像解析系のAI技術をマーケティング領域で利活用すべく、いくつかのプロジェクトを担当してい...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/09/25 15:00 https://markezine.jp/article/detail/34341

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