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第106号(2024年10月号)
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MarkeZine Day 2020 Autumn

第一想起はなぜ重要か?ピザハットが進める顧客接点のデジタルシフト

 チラシやテレビCMといったオフライン施策中心のプロモーションを見直し、デジタルの割合を上昇させている日本ピザハット。その目的はより深く、より多くお客様と関わり、「宅配ならピザハット」と第一想起を獲得することだという。9月2日に開催されたMarkeZine Day 2020 Autumnでは、同社でデジタルマーケティングを推進してきた薮内氏が、「獲得」目的に限らないデジタルでのコミュニケーションをいかに実現してきたのか、数年間の実践を語った。

「宅配ならピザハット」を目指して

 日本ピザハット(以下、ピザハット)は1971年に第一号店をオープンさせ、宅配ピザ市場をけん引してきた。現在はブランドメッセージ「おいしいは、愛だ。」を届けるため、いろいろなチャネルを利用しながら活動を展開している。

 登壇した薮内氏は、アルバイト時代も含めるとピザハット歴22年。入社後は店舗勤務、エリアマネージャー、マーケティングを歴任し、現在はデジタルマーケティング課の課長として、デジタル全般の管理運営に従事している。

日本ピザハット株式会社 マーケティング部 デジタルマーケティング課 課長 薮内 浩平氏
日本ピザハット株式会社 マーケティング部
デジタルマーケティング課 課長 薮内 浩平氏

 現在「宅配ならピザハット」と第一想起してもらうことを最大の目的に、それまでのオフライン中心のプロモーションからデジタルシフトを図っていると薮内氏は言う。ではどのようにデジタルシフトを進めているのだろうか。その前にまず、ピザハットが辿った歴史が語られた。

チラシが最重要の時代から劇的に変化

 いまから溯ること20年、世の中で少しずつデジタル化が始まっていた頃に、ピザハットでは電話を受けて受注し、ピザを作ってバイクで配達するシンプルなオペレーションを実施していた。訴求方法もチラシとテレビCMのみ。手元にチラシがないと注文できないため、チラシが最重要のチャネルだった

 そこから少し進んだ10~15年前、世の中がITバブルの真っただ中にある頃、少しだけデジタルシフトが始まった。訴求方法は変わらずテレビとチラシがメインだったが、PCからの注文が可能になり、プラットフォーマーとの協業も始まった。そうは言っても、当時の仕組みは注文が入ると店舗にFAXが流れるというアナログなものだったという。

 5~10年前になると、本格的にデジタル化が進み、スマホでの注文が可能に。この頃にデジタルマーケティング課が創設され、デジタル広告の開始、TwitterやFacebookの自社アカウントの開設、ロイヤリティプログラムの開始など、様々なチャネルで消費者とのタッチポイントを作るようになった。また、受注形態も配達に加え、テイクアウトが主流なものとなっていった。

 そして現在、使える決済サービスも増え、「Uber Eats」のような新たなプラットフォーマーも現れた。タッチポイントはさらに多様化・複雑化し、「より便利に、よりお得にお客様に寄り添った対応が必要」との考えを大事に活動するようになったと薮内氏は話す。時代のニーズに合わせたサービスをいち早く提供する体制も整え、たとえば3月には非対面接触を希望するお客様向けの「置きピザ」を、8月には乗車したままでピザを受け取れる「お車ピザ」を開始した。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/10/26 09:00 https://markezine.jp/article/detail/34381

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