わかりにくいこと、言いにくいことを伝えられる「表現力」
2つ目のメリットは「表現力」です。DLEでは、この表現力のことを「わかりにくいことをわかりやすく」「言いにくいことを言いやすく」という2つの軸で解釈しています。
わかりにくいことをわかりやすく伝えられている事例には、野村証券様のキャンペーンがあります。
野村証券様:「NISAの村」キャンペーン
2014年にスタートしたNISA(少額投資非課税制度)は、投資の促進制度として証券会社からは注目されていましたが、その利点を生活者に伝えることは難しい商材でした。そこで野村證券様では、鷹の爪団をキャラクターに起用し、「NISAの村」というキャンペーンを展開しました。
NISAの村(NISA+野村)を舞台にキャラクターたちがNISAのシステムやメリットを伝える動画やイベントを行い、その活動をSNSで拡散することで、NISAと言えば野村證券というイメージを訴求。「わかりやすい」という意見もいただきました。
キャラクターであれば、難しい訴求内容であっても伝わりやすい表現に工夫して消費者に届けることができます。また、アニメという時点でそもそもの間口が広がります。

一方、言いにくいことを言いやすくした事例には、JR西日本様のキャンペーンがあります。
JR西日本様:さわやかマナーキャンペーン
多くの人が利用する公共交通機関では、マナーの啓発が必要となります。一方で、その表現が利用者に不快感を与えないようにも注意を払わなかければなりません。
そこでJR西日本様は、毎年行われている「さわやかマナーキャンペーン」に鷹の爪を起用。キャンペーン中には、車内のサイネージやポスター、駅構内のポスターのほか、レオナルド博士の着ぐるみを稼働して子どもたちと触れ合うイベントを行うなど、キャラクターならではの試みを行いました。
その結果、従来よりもクレームが少なくなり、むしろマナー啓発に対して好感度が上がったとの意見をいただきました。
マナー啓発などの啓発型広告などは、タレントが行うと、現実に人格を持つ場合によって上から目線のように見えてしまうことや、私生活でのスキャンダルに大きな影響を受けることがありますが、キャラクターという第三者が伝えることで利用者の方にマイルドに伝わる効果があります。

プロモーション効果を蓄積する「継続性」
3つ目のメリットは、「継続性」です。著名タレントを起用し、一時的に話題化したものの、商品やサービスの認知や理解につながったのか、疑問に思われることも多いのでしょう。さらに契約期間があり、契約終了後に競合他社と契約することなどもあります。消費者に「このタレントと言えば、あの商品」とイメージをつけさせたものの、他社の広告塔になってしまい、今までの苦労が水の泡になんてこともあるのです。
しかし、キャラクターは制約がない分、マスメディアだけでなくWebやSNSで幅広く活用できます。自社のオリジナルキャラクターを開発すると、期間などの縛りもないため長く使えます。また、自社オリジナルキャラクターと、タレントや有名キャラクターをコラボしながら継続活用することで、プロモーション効果を蓄積しながら、オリジナルキャラクターと企業のイメージを醸成することもできます。
自社オリジナルキャラクターを活用することのデメリットは知名度がないことです。そのため、初期は認知度のあるタレントさんやキャラクターとコラボしながら育てていくことが重要になります。