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dotグラフィで探る、Z世代のホンネ

対等な関係でいたいから会計は割り勘。ジェンダーニュートラルな価値観を持つ「Z世代のデート実態」

デートの様子をSNSでシェアするのは躊躇、でもされるのは嬉しい

 最後に検証するのは、仮説3「Z世代はデートの様子を相手にシェアされるのはハッピー! しかし、自分がシェアするのは躊躇している?」です。

 今回調査したカップルの場合、彼女がデートで訪れた場所をインスタのストーリーに投稿していました。しかし、その写真に彼氏は写っておらずデートの写真とはわかりません。

 普段デート中に撮った写真をどうしているか尋ねてみると、「私はモノや場所の写真をよくインスタのストーリーにあげていると思います。本当は彼の写真も載せたいですが、周りの目を気にしてあまり載せないようにしています。彼も滅多に私の写真は載せないですね。私としては載せてくれたらとても嬉しいのですが」(彼女)とのこと。

 彼女曰く、自分が彼氏を載せるのは躊躇うが、相手が自分を載せてくれる分にはとても嬉しいとのこと。少し矛盾した感情のように思えますが、他のZ世代はどう思っているのでしょうか?

インスタにまつわる矛盾した気持ち

 dotメンバー27名に2つの質問をしてみました。「インスタにパートナーの写真を載せることに躊躇する?」という質問と、「パートナーが自分のことを載せていたらどう思う?」という質問です。結果はこのようになりました。

 インスタにパートナーの写真を載せることに躊躇する? という質問では「躊躇する、少し躊躇する」と答えた人が大多数の8割以上。一方で、パートナーが自分のことを載せていたらどう思う? という質問では「嬉しい、気にしない」という人が7割以上と過半数でした。

 自分がパートナーを載せるのはためらうけれど、相手が自分を載せてくれるのは嬉しいとはどうしてなのでしょうか? Z世代会議でその理由を詳しく聞いてみました。

 まずは、自分がパートナーを載せるのに躊躇してしまう理由です。

大学3年生Sちゃん
「たまに彼氏のことを載せるとたくさんの反応がきます。まだ付き合ってたんだ? とか別れたと思ってた! とか。自分たちの関係性をそんなに気にしている人たちがいるんだと思うと嫌になります」

大学3年生Mちゃん
「付き合って3ヵ月経つまでは絶対に載せません。私たちにとっては、インスタから恋人の写真が消える=別れたとアピールすることになるので、3ヵ月もたたないうちに別れてインスタから彼氏の写真を消すのは恥ずかしい」

大学2年生Sくん
「ほんとは彼女の写真をシェアしたいです。でも、周りの目が気になるなって思います。とてもいい写真だったらあげるけど、好きすぎてたくさん投稿しちゃうってことはないようにしています」

 載せて自慢したい気持ちはありつつも、周りの目を気にして自制していたり、周りの反応に疲れていたりするようです。にもかかわらず、相手にシェアされると嬉しいというのはどういうことなのでしょうか?

大学2年生Aちゃん
「彼氏が自分を載せていたらめちゃめちゃ嬉しいです。愛されている感があるし、自慢できる彼女なんだなと思います。逆に、全然載せないと他に恋人がいるのかと疑ってしまいます」

大学2年生Mちゃん
「パートナーが自分をあげているのは別にいいです。愛されている感があるし、認められているんだなって思います」

 恋人をシェアするのはハードルが高い分、自分が載せられていたらとても認められていると感じるようです。ある高校生男子は、「あなたは自慢の彼女だよ」「インスタに載せるほど楽しかったよ」と彼女に伝えたいという思いでインスタのストーリーに彼女との写真を投稿しているそうです。

【発見3】

周りの目を意識するため、恋人をインスタでシェアするのはハードルの高いこと。しかし、その分自分がシェアされると認められたと感じて嬉しくなる。

「特別感」より「日常感」を大切にするZ世代のデート

 今回はZ世代のデートというテーマを、お金、時間、SNSという3つの視点から見てきました。そこから見えてきたのは、友達との遊びよりもラフで自然体なデートのあり方ではないでしょうか?

 Z世代の中でも特に流行に敏感なタイプのメンバーの意見によると、「友達と遊ぶときは映えを意識するけれど、デートの時は映えを意識しない。一緒にいられればそれでいいから」とのこと。流行に敏感な彼女でも、デートでは力を抜いているようです。

 また、dotメンバー27名にデートに一番求めるものは何かアンケートしてみたところ、ドキドキや特別感という回答はひとつもなく、癒しや安らぎという意見が多くを占めました。

 確かに、会計は割り勘、対等な関係、計画に力を入れない、楽しければファミレスもOK、映えを意識しないというスタイルは友達といるとき以上に気を使わないものかもしれません。

 男性らしさや女性らしさというものがなくなりつつある今、パートナーは性役割を感じさせてくれる存在よりも、人としての居心地良さを感じさせてくれる存在としての役割がより色濃くなっているのかもしれません。

 いかがでしたでしょうか? Z世代のデートについて何か新しい発見はあったでしょうか。次回のテーマは「Z世代のコロナ後の変化」です。今までZ世代の価値観とされていたものが、コロナによって変化した部分もあるようです。お楽しみに!

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この記事の著者

渋江 みのり(シブエ ミノリ)

1998年生まれ。青山学院大学心理学科4年。
2018年からdotで活動を始め、現在はdotのメディア部として活動中。大学卒業後、dotに入社予定。
 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/03 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34999

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