フォロワー拡大からUGC創出にシフト
MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、丸亀製麺のTwitterアカウントがどのような方針でオーガニック運用や広告プロモーションを行っていたのか教えてください。
小西:元々Twitterアカウントの活用に力を入れ始めたのは2018年ごろでした。最初はオーガニック投稿を中心に運用しており、一部季節限定メニューなどの販促を目的としたプロモツイートを実施していました。
2019年は、フォロワー数が現在(90.7万フォロワー、2020年12月時点)の3分の1以下だったので、フォロワー数の増加とエンゲージメント数の高いツイートを目標に運用しつつ、プロモツイートも季節限定メニューや麺増量、1杯食べるともう1杯無料など複数の訴求で活用していました。
その後、フォロワー数も着実に増えてきたので、2019年12月からUGC(User Generated Content)の創出を中心とした施策に取り組み始めました。特に2020年5月~7月にかけてテイクアウトや期間限定メニュー、お得なセットメニューなどを盛り上げるため、Twitter上のファンのお客様からまずは商品を知っていただき、ファンのお客様の先にいるお客様へ商品を知っていただくというプロモーションを展開するようになりました。
3つのステップでリーチ補完と再リーチ&資産化を実現
MZ:直近では「あなたが選ぶ!うどん総選挙」で復活した「タル鶏天ぶっかけ」の売り上げ最大化を目的に、Twitterが提唱するティザー(発売前)・ローンチ(発売中)・サステイン(発売後)の3つのステップで施策を実施したと聞いています。その理由を教えてください。
小西:今回は商品販売前に「あなたが選ぶ!うどん総選挙」でお客様に選んでいただき復活した商品であったことが大きな理由の一つです。これまでのプロモーションは、ローンチ時のみ行うケースがほとんどでした。しかし、今回の「タル鶏天ぶっかけ」は創業20周年を記念して7月に行った「あなたが選ぶ!うどん総選挙」で復活した商品で、Twitter上でも盛り上がりを見せていました。
そのため、この盛り上がりを活かして売り上げを拡大すべく、発売前のティザー施策と発売後のサステイン施策にも力を入れることにしました。
篠原:また、今回ティザー施策とサステイン施策にも力を入れたのは、丸亀製麺におけるデジタルでのコミュニケーションのあり方が変化したのも背景にあります。元々「すべての店で、粉からつくる。」という手づくり・できたてのこだわりをUSPとして、テレビCMを中心としたマスメディアで中高年層のお客様にアプローチしてきました。
しかし、それでも届かない若年層を中心とした方向けにリーチを補完する役割を担っているのがTwitterをはじめとしたデジタルメディアです。マスメディアでは届かない方にデジタルプロモーションを仕掛けることでまずは来店いただくきっかけを作ります。その後も再リーチしながらフォローやアプリインストールなどを促す形でお客様とつながり続ける仕組みを作り(=資産化)、デジタル上での関係性強化を心がけています。
さらに、Twitterに関しては、Twitter上の丸亀製麺ファンの方を会話の起点として、商品ごとの特徴を捉えた詳細なターゲットを導き出し、施策を実施することで会話の活性化を促す役割があります。会話が生まれることは、先ほどご説明した構想のリーチ補完、再リーチ、そして資産化にもつながるのです。