Yahoo!広告の運用が便利になるMCC
MZ:続いて、小山さんにMCCについて伺いたいと思います。まず、MCCとは何か教えてください。
小山:MCCは複数の広告アカウントを束ねることができるツール(エンティティ)です。通常では広告アカウントごとに予算やデータが管理されているため、そのアカウントの中でしか利用することができませんが、MCCを利用すると予算やデータの管理を複数のアカウントをまたいで行えます。
広告主や代理店の皆さまは、ブランド、予算の出どころ、運用者の組織体制に合わせて広告アカウントを分けるケースがほとんどです。そのため、複数のアカウントを保有しているケースが多く、それらを束ねるツールとしてMCCが求められるようになりました。
MZ:もう少しMCCが求められる背景について伺いたいのですが、なぜ複数の広告アカウントをMCCで束ねる必要があるのでしょうか。
小山:運用の効率化と広告効果の向上という2つの側面から、MCCで複数アカウントをまとめるメリットを説明します。前者に関しては、広告アカウントごとに権限付与が必要でしたが、MCCであればMCCアカウントへ権限を付与することで、簡単にMCC配下の広告アカウントへも同一権限を一括付与することができます。権限を更新、剥奪したい場合も同様の仕組みです。
MZ:もう1つの広告効果の向上に関してはいかがでしょうか。
小山:広告効果の向上に関しては、データの共有がMCCアカウント配下で行えるようになることが大きいと思います。ベストプラクティスを同一広告主の別の広告アカウントに転用したり、また複数アカウントを統合した分析レポートを出したりすることができるので、アカウント個別の最適化ではなく、広告主単位で広告効果の向上がMCCを導入することで見込めると考えています。
権限管理とアカウント一覧の統合を提供
MZ:では現在MCCではどういった機能を提供しているのでしょうか。
小山:現在提供しているのは権限管理、アカウント一覧の統合の2つです。また、権限管理に関しては、ディスプレイ広告だけでなく、Yahoo!広告 検索広告のアカウントもひも付けられるようになったため、より便利になったと考えています。
MZ:権限管理とアカウント一覧の統合それぞれで、何が可能になるのでしょうか。
小山:権限管理では、先ほど説明したMCCによる権限の一括管理、また個別の広告アカウントの管理者権限付与、他社のビジネスIDであっても招待することで権限を付与することができます。これまでは広告アカウントごとにビジネスIDを切り替えてログインをし直すケースがあったかもしれませんが、現在はお使いのビジネスIDを招待するだけで各広告アカウントへアクセスができるように改善されています。
小山:アカウント一覧の統合に関しては、MCCアカウントを利用するとグループ分けすることができるため、予算管理や編集したい広告アカウントにすぐアクセスすることができます。
これまでは登録したアカウントがすべて並列で表示されていたため、代理店で複数広告主のアカウントを運用しているような場合は管理しにくい状況だったのですが、MCCを導入することで広告主単位にアカウントをまとめることができUXが改善されたため、運用担当者の負担が軽減されることを期待しています。