「ZOZOTOWN」などのサイト更新に関わる工数を短縮
これまでKARTE BlocksはKARTEの導入顧客向けにクローズドベータとして提供されてきた。先行導入した企業はどのような機能を使っているのだろうか?
主にカスタマーサクセスを担当するプレイドの栗山玲依氏はまず、Webサイトの整理・管理・更新の効率化を目的に採用したZOZOを紹介する。日本最大級のファッションECサイト「ZOZOTOWN」などを運営する同社は自社内にエンジニアを抱えているが、Webサイトの更新や運用に工数がかかるという課題を抱えていた。
そこでトップページの特集コンテンツ更新部分にKARTE Blocksを導入し、開発チームがバナー、テキストリンクの管理配信をより効率的に実施できるようになった。 ゆくゆくはマーケティングチーム単独で実現できるよう準備を進めているところだ。簡単にコンテンツの編集と更新ができるようになっただけでなく、ファーストビューでも表示速度への影響がないという。
PCメーカーLenovoの法人向けサービス「Lenovo Pro」は、サイトの運営や更新は本国の確認が必要という運用体制をもつ。それまではセミナー情報などを掲載するとなると、仮の情報をもとにリリースして内容が固まった後に本リリースを行い、実際のページの更新作業は本国側に依頼書を出していた。KARTE Blocks導入により、日本側で更新作業までできるようになった。こうしたことにより日々の日常業務・リソース・コストの削減に成功したと栗山氏は述べた。
サイトの最適化が簡単になるだけでなく、日々の意識が変化
サイトパフォーマンス向上に役立てている企業が、TechAcademyなどプログラミング教育事業を運営するキラメックスだ。それまでのスマートフォンのLP画面は入力フォームにたどり着くまで長くスクロールしなければならなかったが、KARTE BlocksでLPのコンテンツ量のA/Bテストを行うことでこれを最適化した。キラメックスはまた、サイトパフォーマンスの向上もKARTE Blocksで行っている。それまではどの流入経路でも同じLPが表示されていたが、特定の流入経路の場合には文言を変えたものを表示することで、単一のLPでキャンペーンのソースに合わせた訴求が可能になった。
パーソナライズでは、山野楽器も来訪回数に応じてコンテンツ量を調整する取り組みをKARTE Blocksで行っている。「初めて訪問した人と10回以上来訪しているロイヤリティの高い顧客では、伝えるメッセージが異なります。ページの要素を書き換え、場合によっては削除することで、必要な情報を優先的に届けることができています」と栗山氏は説明した。
KARTE Blocksは2020年11月よりオープンベータとして、誰もが利用できるようになった。栗山氏は最後に、「KARTE BlocksによりWebサイトの運営がシンプルに直線的になります。日々の業務が変わるだけでなく、意識が変わるという声をいただいています」とし、「デジタルマーケティングにおいて、BMSが当たり前のシステムとなるようにサービスと開発を進めていきたい」と語り、セッションを締めくくった。