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次世代マーケティング教室

AIバイアスをマーケティングに活かす

AIにおけるバイアスを理解した上でツールを使う

 AIやMLシステムが偏ったデータを使って訓練され、その偏りが認識されず、対処されない場合、重大な問題を招く可能性があります。潜在的に価値のある顧客の微妙なニーズを見逃したり、市場シェアの拡大に失敗したりすることが考えられます。これを評価し、対策を講じることができるかどうかは非常に重要です。

 こうした問題を回避する1つの方法は、データの収集方法を変えて、モデルのパフォーマンスに影響があるかどうかを確認することです。そして、A/Bテストを実施し、異なるデータセットでモデルをテストして、どちらがより良い結果をもたらすかを確認します。これにより、最適化への道筋が示されるだけでなく、新しいデータがモデルの有効性を低下させないことが保証されます。

 データ収集の方法を精緻化することは非常に重要ですが、一方で多くの洞察が得られないとすればこのステップは非常にコストがかかる可能性があります。そのため、モデルが特定の特徴や特徴の組み合わせをどのように評価しているかを開発者がきちんと認識する必要があります。

 モデルを適用している領域(たとえば顧客ニーズの発掘など)の知識を活用することで、モデルをさらに改善させることができます。先ほど非常にコストがかかると書きましたが、モデルを改良するか、データ収集を改良するかを決めるのは、費用対効果が目安となります。データ収集方法を変更するか、モデルの特徴を評価するか、どちらの費用を考慮する必要があるのか、投資収益率を考えて選択します。

 一旦MLモデルが動作を開始すると、その初期の結果は訓練されたデータによって左右されることを理解することが重要です。しかし、モデルが動作し始めると、システム自体はデータを収集し続け、学習し続けます。この方法はオンライン広告に適用されています。

 このMLモデルは、訓練されたデータを使って、特定の広告をどこに配置するかを決定します。その後、広告を閲覧したユーザーの反応に基づいて、将来的にどこに広告を配置するかを学習します。

 AIや機械学習アルゴリズムにおけるバイアスは課題の一つです。バイアスの意味合いを理解しているマーケターであれば、バイアスの特性を踏まえたうえで適切にAI搭載のツールを活用することができるでしょう。バイアスが理解されていれば、AIモデルの初期の運用段階でモデルが現場で収集したデータをレコメンデーションに利用することができます。

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この記事の著者

ミン・スン(ミン スン)

Appier チーフAIサイエンティスト
2005年からGoogle Brainの共同設立者の一人であるアンドリュー・エン氏、元Google Cloudのチーフサイエンティストであるフェイフェイ・リー氏などのプロジェクトに携わり、AAAI(アメリカ人工知能学会)をはじめ世界トップの人工知能学会で研究論文を発表。201...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/16 15:27 https://markezine.jp/article/detail/35329

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