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MarkeZine Day 2025 Retail

売上アップにつながるSNSマーケティング

8ヵ月でUGC数を6倍に!美容室専売メーカー・ミルボンのTwitter&Instagram活用術

UGC創出の切り口を多角的に準備したインスタライブ

いいたか:Instagramでライブ配信イベント『BEAUTY Channel #SNS時代のカワイイを語る』も実施されましたね。コロナ禍で計画していた施策ができなくなったことも影響していると思うのですが、元々取り組もうとしていたことや、このイベントを実施した経緯を教えてください。

池田:同イベントはスタイリング剤「DOOR(ドア)」の発売を記念したライブ配信でしたが、元々はポップアップストアを作り、対面で商品を体験してもらう計画でした。発売時期に感染拡大の第2波が重なり危険が予測されたため、ポップアップストアは中止に。すべてオンラインという条件で施策を考える中、たどり着いたのがこのライブ配信企画でした。

池田:ホットリンクさんが先行して実施していた1週間連続のオンラインイベント「New World 2020」に深く印象付けられていたため、それに習って5日間の実施に踏み切りました。

いいたか:配信映像をInstagramに合わせて縦型にしているのも新しく感じられました。成果として得られたのは、どのようなことだったのでしょうか?

池田:ひとつは、1日先着1,000個のプレゼント企画への反響ですね。1日目はすぐに埋まらなかったものの、3日目は開始15分で申し込みの上限に達してしまい500個を追加。エンゲージメントも高まっていき、最終日は1分で達成しました。

 加えて、いわゆるサンプル商品ではなく商品現物だったことや、申し込みから商品到着までが翌々日と、スピードが早かったことなどもあり、イベントについてだけではなく、ミルボンのサービスの早さなど様々なUGCも得られました。

朝山:他にも池田さんがティザー的にアップしたnoteがシェアされたり、ティザームービーにも言及されたりしていましたね。ゲストとして出演していたインフルエンサーさんのファンからも流入があり、UGCが生まれる切り口が様々でした。

竹渕:考えられるありとあらゆる改善策、仕込みをしてきたという感じですね。

 特に映像の見せ方は工夫しました。単純に生で配信するZoomやInstagramの映像では、商品使用時の質感がよく見えず、視聴者の興味がなかなか続きません。収録を生っぽく配信しているイベントや、生でトークセッションをするという形式は過去にもありましたが、このイベントでは2つを組み合わせています。ハウツー的なテクニックは収録した映像で質感が伝わるように見せ、トークの部分は生でタイムラインを追って会話ができるようにしました

 ライブ感と映像のクオリティを両立したため、見ていただいた美容師さんからも「ミルボンもちゃんと新しいことをやってるね」と評価いただきました。

朝山:DOORは新商品ですから、元々手に持っている方がいない状況です。だからこそ、「ライブ」というコンテンツに対して様々な切り口で言及してもらい、そのUGCを見た人たちがライブに集まり、DOORを知ってくれるという循環が生まれていました。

いいたか:商品を軸に発想されたケースは多いですが、こちらのイベントはそうではなかったですよね。「ミルボンとして正しいライブ配信イベントとは何か?」を考え、最終的に商品の宣伝につなげた、という印象です。視聴者も、「DOORを売られる」と思って見ていなかったんですよね。商品をどのように認知するかはとても重要ですが、そのための切り口作りに関しては、これまでのやり方からかなり変わってきているのではないか、と思います。

継続性・伸びしろがSNSの価値

いいたか:これまでのSNS活用全体を通じて、実際の売上への貢献としてはどのような影響があったでしょうか?

竹渕:当然すべてがSNSで解決されているわけではないですが、コロナ禍の状況であっても、美容業界はなんとか踏ん張っています。SNSを通じて継続的に商品に関する情報を作っていけるため、美容室の売上に対しても多少なりとも寄与していると思います。他の広告宣伝費の中で見比べても、継続的な積み上げや改善もできているので、費用対効果は非常に高いと見ています。

 ユーザーのリピート推進においても、商品が推奨される有益なUGCがあるためか、購買を報告するツイートが増えた印象です。

いいたか:SNSを活用するとなると、最終的にはミルボンさんのように複数のチャネルでUGCを生み出していく「分散型」になると思います。当然ですが、100%Instagramのみで売上が上がっているわけではなく、他にも根拠となるものがあり、すべてのトータルで上がっているという考え方に落とし込まないと、効果を正しく評価して次につなげるのは難しい。分散型でチャネルごとに、そのシーンに向き合うことが大事だと、再確認しました。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/25 08:00 https://markezine.jp/article/detail/35420

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