SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

米国最新事情レポート『BICP MAD MAN Report』

ニューヨーク・タイムズが12倍に成長 オンライン投資先とその姿勢

 米国やグローバルにおける広告・マーケティング業界の最新情報をまとめたベストインクラスプロデューサーズ発行の『BICP MAD MAN Report』。そのカットアップ版をお届けする本連載。今回は成長を続けるニューヨーク・タイムズの動きを紹介する。

※本記事は、2021年5月25日刊行の定期誌『MarkeZine』65号に掲載したものです。

特需の波に乗ったニューヨーク・タイムズ

 The NewYork Times(以下、NYT)のデジタル版アカウントの伸長が絶好調だ。この事例から、国内パブリッシャーや日本企業が向かう方向性のヒントを考えてみたい。

 2020年は、パブリッシャーやコンテンツ提供者にとって、オンライン経由でのサブスクリプション事業はアカウントを拡大する千載一遇の「特需」期だったはず。ところが身の回りで(たとえば)2020年に(あの有力な)日経IDの購読申し込みを増やした事例を見かけただろうか。逆に解約をした心当たりはないか。この自問は日経だけではない日本の各新聞社やテレビ局にも共通する「特需」期にも伸び悩む傾向の一つだ(※1)。

 今から10年前、NYTは「いよいよ紙の新聞が読まれなくなる」とデジタル版へ軸足を移す決意をした。2011年当時、NYTはニューヨーカーだけが読む典型的な「地方紙」で、発行部数はたったの110万部ほどだった。その後も発行部数は逓減し、2020年末で80万部台まで落ち込んでいる。

 事業決意の結果、NYTのデジタル版の購読者数は2011年には約40万件であったのが、2020年には約12倍の約510万件にまで伸長。2020年の「特需」期には約50%伸ばして、本紙(+その他 ※2)合わせて約750万件の有料アカウントに成長し、本紙の部数比率は10%になった。

 NYTは技ありの経営軸シフトの結果、印刷版本紙とデジタル版を合算した購読者からの売上が2011年は約780億円(7.06億ドル)だったが、2020年には約1,315億円(11.95億ドル)にまで成長させた(図表1)。

図表1 NYTの印刷版サブスク売上(灰色)とデジタル版サブスク売上(青色)の推移(タップで画像拡大)

図表1 NYTの印刷版サブスク売上(灰色)とデジタル版サブスク売上(青色)の推移(タップで画像拡大)

※1 日経電子版は特需時期の2020年後半7月以降の6ヵ月は、有料会員数が7,700件ほど減少

https://www.nikkei.com/topic/20210115.html
https://www.nikkei.com/topic/20200715.html

※2 ゲーム・料理・オーディオなどのサブスクリプションアカウントを指す。約160万件にのぼる。

この記事はプレミアム記事(有料)です。ご利用にはMarkeZineプレミアムのご契約が必要です。

有料記事が読み放題!初月1円キャンペーン中!

プレミアムサービス詳細はこちら

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラスをご契約の方は
・こちらから電子版(誌面)を閲覧できます。
・チームメンバーをユーザーとして登録することができます。
 ユーザー登録は管理者アカウントで手続きしてください。
 手続き方法の詳細はこちら

次のページ
収益源と投資先の変化

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
米国最新事情レポート『BICP MAD MAN Report』連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

榮枝 洋文(サカエダ ヒロフミ)

株式会社ベストインクラスプロデューサーズ(BICP)/ニューヨークオフィス代表 英WPPグループ傘下にて日本の広告会社の中国・香港、そして米国法人CFO兼副社長の後、株式会社デジタルインテリジェンス取締役を経て現職。海外経営マネジメントをベースにしたコンサルテーションを行う。日本広告業協会(JAAA)会報誌コラムニスト。著書に『広告ビジネス次の10年』(翔泳社)。ニューヨーク最新動向を解説する『MAD MAN Report』を発刊。米国コロンビア大学経営大学院(MBA)修了。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/06/03 06:33 https://markezine.jp/article/detail/36348

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング