UGCの重要度が高まった最大の理由
UGC(User Generated Contents)は以前から注目されてきましたが、新型コロナを機に買い物行動のオンライン化が加速したことで、重要度がさらに上がりました。その理由には、消費者(第三者)発信であるため信頼性が高い点、肌質や体型が似ているなどの条件や価値観が近い人からの情報である場合の影響度、一過性のプロモーションとは違い持続性がある点、などが挙げられます。
私たち消費者は、これらの情報を集めてきてネガティブな側面も含めた「確認作業」をし、意思決定を行っています。言い換えれば、口コミが少な過ぎると検討行動自体が進まなくなる恐れがあります。こういった機会損失のリスクを孕んでいる点が、UGCの重要度が高まった最大の理由であると私は捉えています。
また、SNS上にアップされる画像や動画もUGCとして解釈され、昨今ではそれらをECサイトやランディングページ、広告クリエイティブに二次利用するという手法もあり、UGCは広く活用されています。しかし「確認作業」を求める消費者からすると、メーカー側がコントロールできるオウンドメディアよりも、レビューサイトやSNSで発信されているフラットな情報の重要度が依然として高いでしょう。
フラットなUGCをいかに創発・誘発し続けられるかが求められる時代となっているのです。
UGCを4つに分類
UGCの解釈は非常に広く、様々な消費者起点の情報がUGCとして解釈され語られています。
具体的にどのようなUGCを創発・誘発する必要があるのか? 発信者、内容、期待効果という項目をもとに整理してみましょう。

IGR(Influencer Generated Review)はインフルエンサーによる発信なので、いわゆる従来のUGCとは言いづらいところがあります。ですが、昨今はインフルエンサーに試供品を提供して自由にありのままの感想を投稿してもらったり、インフルエンサー自身が自費で購入して独自レビューをしたり、ブランドとの関係性を明示した上でアンバサダーとして継続的な発信をしたりする取り組みも存在します。そのため、一概にインフルエンサー発信=金銭を対価とした#PR発信とは言い切れないため、1つのパターンとして入れておきました。
インフルエンサー発信による期待効果は「検討行動の後押し」だけでなく「認知拡大」まで期待できるため、非常に大きな可能性を秘めています。
そして、この4分類で押さえておくべきは、一般の消費経験者による使用実感や品評であるUGR(User Generated Review)とファンやロイヤルカスタマーによる利用記録やブランドとの対話であるFGC(Fan Generated Contents)です。この2つのUGCを効果的に創発・誘発していく取り組み・仕組み作りが、オンラインの棚取りにおいてはポイントになります。