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コロナ禍に求められる、オンライン「棚取り」 ポイントは4種のUGCの活用


 こんにちは。スパイスボックス 事業統括責任者の森竹アルです。その時々の時流に合わせ、各コンテンツがシェアされる理由を分析してきた本連載。今回は、新型コロナウイルスの影響で消費者の購買行動がどのように変化したのか? そして重要度が高まっているUGCについて考察していきます。

オンラインの「棚取り」が重要に

 皆さん、まずはこちらのグラフをご覧ください。

総務省統計局 家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について
総務省統計局 家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について(PDF)より引用

 初めて緊急事態宣言が出された2020年4月を機に、ネットショッピングの利用経験と支出額が非常に大きく上がりました。この1年で人々の買い物行動は店頭での物色からオンラインでの物色へと変化しています。

 当然、オンラインでの物色が増えれば、販売促進のあり方も変わってきます。これまでの販売促進において、店頭での「棚取り」は特に重要でした。理由はシンプルで、店頭の棚に商品が置かれていないと「そもそも買ってもらえないから」です。では、買い物行動のオンライン化が進むとどうなるのでしょうか?

 私たち消費者はオンラインで買い物をする際、複数の情報を組み合わせて検討をしながら意思決定をします。消費者の頭の中に「店頭」が構築されていくイメージです。そして「店頭」を構築するための情報は、メーカーのWebサイトはもちろん、SNSやブログ、レビューサイトなどの「口コミ」から集めてきます。

 この行動パターンは商材によって異なります。そのため、企業は自分たちが提供する商材において「消費者がオンラインでどのような買い物行動(検討材料の収集行動)をしているか?」を理解し、これまでの販売促進とは違った工夫をしていく必要があるのです。

 いずれにせよ、コロナを機に加速した買い物行動のオンライン化によって、従来の「店頭で棚取りをすれば売れる」構造はすでに破綻し、オンラインでの「棚取り」が求められる時代に突入したと私は考えています。

 皆さんの中にも、検討している商品の口コミが調べても出てこなかったため、候補から外してしまった経験があるのではないでしょうか? もはや、口コミがゼロの商品は店頭で棚取りができていない商品と大差ないのです。

消費者は「確認作業」を求めている

 検討段階において、消費者が口コミを重要視する理由は「失敗したくない」「騙されたくない」という心理が働くからです。

 たとえば、検索エンジンから具体的な商品・ブランド名で指名検索をすると関連ワードにネガティブな言葉が必ず上がってきます。これはどのような商品・ブランドでも起こる事象です。変に悲観する必要はありません。

 消費者からすると、販売元であるメーカーからの公式情報は、どうしても「良いことだけを言っているのでは?」と疑ってしまうものです。消費者は「失敗したくない」「騙されたくない」ため、あえてネガティブな情報を「確認」しておきたいのです。だからこそ、第三者である一般消費者からの口コミを重要視します。

 もし、自社の商品を検索した際に口コミがなかなかヒットしない場合は要注意です。昨今は知りたいことを検索エンジンだけでなくSNSで検索する人が増えています。

 

(引用元:総務省 令和元年通信利用動向調査)https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/200529_1.pdf
総務省 令和元年通信利用動向調査より引用(PDF)

 そのため、今重要なのはオンライン(特にSNS)で口コミの棚取りを行うことです。ここでいう口コミは、自然で信頼性の高い情報を指します。ポジティブなコメントばかりでは不自然ですし、それでは公式の情報と変わらないため「確認作業」が進みません。ネガティブなコメントもあって当然です。

 消費者はヤラセっぽい口コミではなく、自然で信頼性の高い口コミをもとに「確認作業」をした上で、自ら最終的な意思決定を行いたいのです。

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この記事の著者

森竹 アル(モリタケ アル)

 スパイスボックス 取締役副社長 事業統括責任者。2006年にスパイスボックス入社。プロデューサーとして大手自動車メーカー、食品メーカー、ゲーム会社等のデジタルマーケティングを支援。2013年、プロデュース局局長就任。すべてのクライアントワークを統括。2016年以降は、ソーシャルメディアを中心に「共感」と「話題」を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2021/06/07 13:00 https://markezine.jp/article/detail/36452

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