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図書館から公民館へ、ネットの新しい役割とは?

2008/06/16 10:30

この記事では、気になるマーケティング界のキーマンの方々に直撃取材をしていきます!今回はサイバーエージェントの須田氏と共同で、時事通信社の湯川鶴章氏にお話を伺ってきました。最先端IT記者は、現在のインターネットについてどのように見ているのでしょうか?(この記事はCAネットトレンド研究室ブログに掲載済みの記事を編集部で再構成したものです)

今回お話を伺ったのは…
湯川鶴章(ゆかわつるあき)
時事通信編集委員。先端技術が専門。1958年和歌山県生まれ。大阪の高校を卒業後、渡米。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国、現職。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)フェロー。著書に「爆発するソーシャルメディア」(2007年)、「ウェブを進化させる人たち」(2007年)、「ブログがジャーナリズムを変える」(2006年)。共著に「次世代広告テクノロジー」(2007年)、「ネットは新聞を殺すのか」(2003年)、「サイバージャーナリズム論」(2007年)などがある。

広告ビジネス、今が勝負の分かれ目

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湯川さんはポッドキャストや本の出版のほかに、観客を集めての広告セミナーなどもやってらっしゃいますよね?
湯川
そうですね。時事通信社主催のイベントとしてやりました。もっと大きな規模でもやりたいと考えています。

受講する人の旬な情報ニーズとマッチした、タイムリーなセミナーに対する需要があるのではないかと思っています。ネット上の情報が無料化する中、出版やセミナーというオフラインの情報ビジネスの速報性を高めることで、新たなビジネスの境地を切り開いていきたいと思っています。

変わるメディアの関係性

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「放送と通信」という観点では、既存のメディアがインターネットに移り変わるというような意見があります。それについて、どうお考えですか?
湯川
メディア消費の形態で見ると、今は社会が3層くらいに分断されています。ほぼ年齢をベースに分けることができるのですが、大雑把に言えば従来のメディア中心の層パソコン中心の層ケータイ中心の層です。どの層でもメディア事業はネット的なものへ移行が始まっていますが、その進行速度は3層でそれぞれ違うと思います。
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しかし、YouTubeの昨年1年間の広告売上が、アメリカのプライムの番組制作費の2話分にもならないと言われていたりします。このアンバランスさについてはどう思われますか?
湯川
どこを勝負の分かれ目と見るかの違いで、異なる意見が出るのだと思います。実際の売上高で優劣がついたときなのか、前年度比の伸び率で優劣のついたときなのか。どちらが勝負の分かれ目なのでしょう。

現状は、ネットビジネスの広告売上が加速度的に伸びていて、テレビの売上がわずかながらも減少傾向にあるということでほぼ間違いないと思います。問題は今後の傾向です。今後の傾向をどう読むかで、勝負のときがいつになるのかが決まります。今後も紆余曲折があると読めば、売上高で決定的にならない限り勝負はついていない。今後の傾向はもう既に決まっていると読むならば、伸び率の差が出たところで勝負がついている、ということになると思います。

僕は、広告費におけるネットメディアの伸びと従来メディアの落ち込みの長期的傾向は、今後も変わらないだろうと思っています。ですので、僕自身は伸び率で差がついた今が、既に勝負の分かれ目と見ています。

でも、実際に広告ビジネスに従事されている人は、実際の売上高で勝負を判断されるのでしょう。それは当然だと思います。

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