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「イモトのWiFi」からPCR検査事業の支援へ スピード感あるトランスフォーメーション実践の舞台裏

 誰もが知る、と言っても過言ではない「イモトのWiFi」。海外旅行の激減にともない同サービスの売上は2020年4月には前年同月比98%減となったが、運営元のエクスコムグローバルは医療法人からの受託により、自社のマーケティングの知見をもってPCR検査の事業支援に乗り出している。過去にも“社長1日レンタル”などユニークな施策を繰り出してきた同社代表の西村誠司氏は、自身が経営者かつマーケターとして采配を振るう経験から「やはりマーケティングは社長直下であるべきでは」と語る。数々の決断の背景にある思いと、社内をまとめる力の源を聞いた。

※本記事は、2021年6月25日刊行の定期誌『MarkeZine』66号に掲載したものです。

社長自ら発案、即決が柔軟さとスピード感の要因

エクスコムグローバル株式会社 代表取締役 西村 誠司(にしむら・せいじ)氏

1970年愛知県生まれ。名古屋市立大学卒業。1993年アンダーセンコンサルティング(現・アクセンチュア)入社。1995年インターコミュニケーションズ(現・エクスコムグローバル)を設立、社長に就任。1997年海外用レンタル携帯電話事業をスタート。その後の成長の足がかりに。2012年海外用Wi-Fiレンタルサービス「イモトのWiFi」ブランドの提供を始める。2019年メディカル事業をスタート、「にしたんクリニック」の立ち上げを支援。2020年にはわずか数ヵ月でPCR検査サービスを実現。従業員313人(2020年12月末現在)。

——今回は、「イモトのWiFi」で知られるエクスコムグローバルの西村社長をお訪ねしました。渋谷スクランブルスクエア高層階のオフィスですが、会社というよりホテルのラウンジのような雰囲気ですね。

 まさに、外資系の高級ホテルや空港のファーストクラスのラウンジを参考にしています。創業以来、ほとんど渋谷で事業をしてきましたが、2019年秋の創業25年目の節目に、この新しい施設に移転しました。

 オフィスは常に、従業員の皆が誇りをもって仕事に向き合えることを第一に考えています。加えて、オフィスへの投資は広告宣伝費の意味合いもあるんです。ここは建築雑誌やマーケティング専門誌に取り上げられたことを機に、ドラマに使いたいといった問い合わせを多くいただき、『半沢直樹2』の撮影地にもなりました。そうした流れになるように意図した、これもひとつのマーケティング戦略ですね。

——御社は「イモトのWiFi」のネーミングや広告展開、またコロナ禍においてはマーケティング支援という新しい事業に迅速に乗り出されるなど、とても柔軟でスピード感がある印象があります。オフィスへの投資を「広告宣伝費」と断言できる企業も、あまり多くないのでは。

 やはり、社長の私自身が発案して即決していることが、おっしゃっていただいた柔軟さやスピード感の要因だと思いますね。もちろん実働に関しては社長室やマーケティング部と連携していますが、たとえば広告の入札にしても、私が「1億円までいい」と決めれば現場はすぐに動けます。

 それから、事業にしても広告にしても、中途半端はダメだと思っています。事業なら、世の中の役に立つこと。時流の狙い目のビジネスや、我々がこれまで培ったマーケティング力をもってすれば大きく儲けられるビジネスが仮にあったとしても、社会に必要とされているかがよくわからないことには絶対に手を出さないと決めています。

 広告やPR施策なら、皆さんが見たこともないようなおもしろいこと、驚くようなことを。自信作のひとつは、2019年のエイプリルフールに展開したシニア向け新ブランド「モトのWiFi」です。モト冬樹さんをキャスティングし、インターネット黎明期のデザインのWebサイトを作って話題化を図ったところ、『王様のブランチ』でエイプリルフールネタのトリとして紹介されました。

 また同年9月には、Wi-Fiルーターではなく私自身をレンタルできるサービスを「ヤフオク!」に出品しました。Yahoo!ニュースに取り上げられ、落札してくれた山梨のペットホテルさんでペットの散歩をしたら、それがまたニュースになったりしましたね。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/06/25 06:30 https://markezine.jp/article/detail/36576

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