博報堂は、生活者を起点としたブランド発想の事業変革「ブランド・トランスフォーメーション」による企業支援の一環として、サイバーフィジカル技術の活用により、今までになかったブランド体験や新しい価値を創出する「サイバーフィジカル・ブランディング」プログラムの提供を開始した。
サイバーフィジカルシステムとは、実際の世界(フィジカル空間)にある多様なデータをセンサーネットワークなどで収集し、サイバー空間で大規模データ処理技術などを駆使して分析/知識化を行い、そこで創出した情報/価値によって、産業の活性化や社会問題の解決を可能とする仕組みのこと(一般社団法人電子情報技術産業協会サイトより引用)。
同プログラムでは、五感ブランディングなどブランド体験開発のエキスパート集団である博報堂ブランド・イノベーションデザイン(博報堂BID)が、生活者やUXに対する知見と、最先端の研究・テクノロジーを組み合わせ、現実世界とサイバー空間の情報を掛け合わせてブランドの魅力を楽しむ、次世代型の五感ブランド体験を創出するもの。
同プログラムは「コンサルティング・フェーズ」と「開発フェーズ」の2段階で進行する。
「コンサルティング・フェーズ」では、クライアントの課題・テーマに対して、博報堂BIDのコンサルタントが研究者の協力を得ながら課題の深掘りを行う。技術視点や認知科学視点、デザイン視点での分析を踏まえて、ブランディングのための機会領域、具体的なアイデアを発想する。
「開発フェーズ」では、最新の研究知見や科学的なエビデンスに立脚しながら、アイデアを生活者が体験できる具体的な施策「ブランド体験」として具現化する。
たとえば、現実の指輪の上にARでさまざまなジュエリーやリングのデザインを重ねる「AR試着」や、商品を見ていた際の瞳孔径や凝視時間といった自分のデータを振り返り検討の参考できるようにする(下図)といったアウトプットが考えられる。
また、プログラムの開発にあたっては、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)の技術コンサルティングを受け、サイバーフィジカル空間における人の感覚・認知・行動に関する技術的な知見を活用している。
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