子供から若年層まで広い接触を狙った、網羅的なメディアプランニング
MZ:通年でキャンペーンを展開されるということで、メディアプランニングをどのように設計されているのかが気になります。
遠藤:メディアは、ほぼすべてのタッチポイントを使っています。テレビCM、スポンサードのミニ番組、YouTube、Twitter・Facebook・Instagram・LINEの各種SNS、radikoをメインとした音声メディア、OOHなど網羅的にプランニングしています。さらに、これから夏に向けて映画館への客足も戻ってくると想定し、シネマアドも予定しています。
MZ:ターゲットをかなり広く設定されているのですね。
遠藤:はい、今回のキャンペーンはオールターゲットです。普段車を運転しない助手席専門の方やお子様も含めて、たくさんの方々にこのキャンペーンを知っていただくことを狙いにメディアプランニングをしています。
MZ:今回のキャンペーンは商品軸ではなく、ブランドのメッセージを全面に出すものとなっています。受け手に“押し付ける”印象を与えないために、クリエイティブで工夫したことはありますか?
遠藤:「あなたの大切なものは何ですか?」と問いかけた時、そこにはたくさんの方々の様々な思いがあると思います。ですので、動画は子供と遊んでいるお父さん、友だちと一緒にいる若い方、自分を表現しているダンサーなど複数の方に登場いただき、それぞれのストーリーをお見せするという展開にしました。色々な方にご登場いただくことで、親近感を持っていただけるのではないかと考えています。
購買軸ではない施策の費用対効果
遠藤:また、10月末にキャンペーンのフィナーレとしてライブストリーミングの大規模イベントの開催を計画しています。サーキットでの試乗イベントなども考えていましたが、コロナ禍の状況を踏まえ、たくさんの方に安心してご参加いただけるよう、バーチャルという新しい試みで行うことにしました。ここでは、テクノロジーを活用したイノベーティブな体験を提供したいと考えています。
具体的には、バーチャルのBMWの世界にみなさまをご招待し、その中で新しい車のモデルを発表したり、自分でデザインした車でカーレースを楽しんでいただいたり、BMWの車の歴史について語るトークルームを設けたりと、エンターテイメントの要素を多数盛り込んでいます。
MZ:購買軸ではないキャンペーンであるため、マーケティング施策として費用対効果をどのように考えていらっしゃるかが気になりました。
遠藤:購買軸でなくても効果検証は重要です。今回は、キャンペーンがすべて終わった後に大規模なパネル調査を行います。ブランドに対しての信頼性、サステナブルな未来への我々の貢献度、BMWのオーセンスティックなデザインの美しさ、自動車技術への評価など、様々な軸でアンケートを取り、それぞれどのくらい向上したかを検証していきます。
また、これとは別にデプスインタビューも考えています。既存のお客様や見込み顧客の方々に我々マーケティングチームのメンバーがお会いして、深く話を聞くということも実施する予定です。