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自ら市場を創造する。組織も役割も固定化しないプレイドの躍進

 CXプラットフォーム「KARTE」を提供するプレイドは、今年で創業10周年を迎える。KARTEの提供開始以来、高い売上高成長率を維持してきた同社は、2020年12月に東京証券取引所マザーズへの上場を果たした。スピード感をもって動き続け、自ら市場を創造する。同社の成長の源泉は、思考を停止させない限りなくフラットでオープンな組織体制にあった。

※本記事は、2021年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』67号に掲載したものです。

事業の成長とCXというワードの広まり

株式会社プレイド Communication Director/CX DIVE統括/XD 副編集長
川久保岳彦(かわくぼ・たけひこ)氏

 博報堂を経て、2015年よりプレイドに参画。現在はCommunication Directorとして、広告、動画、イベント、メディアなどに関わる。2021年5月にはジャンル横断で体験の価値を追うCXの専門誌『XD MAGAZINE』を発刊。Twitter:@kawatake

――改めて顧客体験を重視する傾向が顕著に高まっている今、オンラインでの顧客体験向上に貢献するCXプラットフォーム「KARTE(カルテ)」の提供拡大には追い風が吹いているのではと思います。事業の概況や市場の変化についてお聞かせください。

 事業としては、おかげさまで多くの企業様にKARTEを使っていただいており、順調に成長を続けています。5月に2021年9月期第2四半期の決算発表を行いましたが、前年同期比で38.4%増の売上高成長を発表することができました。また、KARTEの活用のされ方も多様化してきています。これまでは、やはりマーケティングツールとしてデジタルマーケティングの部門からの引き合いが多かったのですが、カスタマーサポートなどの部門でも横断的に活用していただいたり、会社の基盤として活用していただいたりと、“あらゆるサービスのCXを向上する”というKARTEのコンセプトを具現化したような、本質的かつ実態をともなった活用をしてくださる企業様が増えています。

 市場の変化については、“ウェブ接客プラットフォーム”から“CXプラットフォーム”にリブランディングした2018年当時は、まだそれほどCXという言葉自体一般的ではありませんでした。それが2020年ごろから一気に広まり、最近ではバズワード化して、言葉だけが独り歩きしているような印象もあります。CXという言葉が広まり、いろんなところで顧客視点の考え方や取り組みが増えることは喜ばしいのですが、本来の意味や目的が抜け落ちてしまうことがないように、CXという概念の素地を広めていくための情報発信により一層注力しています。

自ら市場を創造していく、プレイドのマーケティング戦略

――プレイドは、オンラインメディア「XD(クロスディー)」の運営や自社カンファレンス「CXDIVE」の開催、J-WAVEのコーナー「KARTE CX VOX」での発信、最近では雑誌『XD MAGAZINE(クロスディーマガジン)』の発刊など、BtoB領域の域を超えた広いプレゼンスの向上に積極的なイメージがあります。KARTEのマーケティング戦略について、教えていただけますか?

 お聴きいただいているラジオやオンラインメディア、雑誌もそうですが、CXという考え方を広める活動にはずっと投資をし続けています。目的は一言で言うと、市場の啓蒙と創造です。

 ウェブサイトやアプリ、デジタル化されたリアルな場も含めて、ユーザーの見えない部分を可視化し、1人のユーザーとして捉えてコミュニケーションするというKARTEのサービスは、これからあらゆるサービスや場面で必要になってくるはずです。「一人ひとりの顧客について深く知り、それぞれに応対することは大切だよね」という考え方を、業種業態や職種に関係なく広めていきたいのです。

 事業として、いま現在の問い合わせを増やす、商談を増やすといったことももちろん大事です。しかし、それにコミットするのは当たり前すぎる活動で、それだけをやっているとビジネスが先細ってしまいます。「当たり前のことだけやっていたら、普通の角度での成長しかないよね」「スタートアップとして我々が描きたい世界には到達できないよね」ということは、創業時から社内でずっと言っています。

――なるほど。KARTEはもともと“ウェブ接客ツール”としてスタートしており、デジタルマーケティングに“ウェブ接客”というカテゴリを定着させた先駆けのような存在です。市場の啓蒙を重視されているというのは、その実績から納得感がありますね

 市場の啓蒙については、単純にKARTEの売上を伸ばしたいということだけでなく、CXという考え方を通してより良い社会にしていきたいという会社としての思いもあります。まだ世の中の人たちが必要性や重要性に気づいていない物事に対して、「こっちのほうがより良い社会になるよね」と気づくきっかけや考える機会をお届けし、その中にKARTEを検討する余地のある人がいたら一緒にCX向上に取り組んでいきたい、というふうに考えています。

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思考を停止させない、流動的で垣根のないオープンな組織体制

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この記事の著者

松崎 美紗子(編集部)(マツザキ ミサコ)

1995年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、新卒で翔泳社に入社。新入社員として、日々奮闘中です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/01 16:53 https://markezine.jp/article/detail/36774

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