経済的なメリットだけでなく、より良い体験を届けるためのプログラム
――まずは、清水さまが担当されている業務領域とミッションについてお教えください。
清水:スターバックス コーヒー ジャパンのデジタル戦略本部でCRM部に所属しています。店舗とお客様のつながりを強化し、LTVを向上させることが私達のミッションです。
清水:具体的には、会員プログラム「スターバックス リワード」を通じたパーソナライズドマーケティングや、事前注文・決済サービス「Mobile Order & Pay(モバイルオーダー&ペイ)」の導入などに携わっています。
――御社では2017年から独自のポイントプログラムとして「スターバックス リワード」を開始し、多くの顧客に受け入れられていると伺いました。改めてどのようなプログラムなのか、教えていただけますか?
清水:スターバックス リワードではポイントを「Star」と表現し、お客様の購入額54円(税込)につきStarが1つ集まる仕組みでプログラムを運営しています。集めたStarはReward eTicketと交換ができ、eTicketは上限700円(税抜)でお好きなドリンクやフード、コーヒー豆1品などと引き換え可能です。
弊社ではスターバックス リワードを、ポイントを付与して経済的なメリットを還元するだけでなく、「より良い体験をお届けするためのロイヤルティプログラム」と位置付けています。
顧客と店舗をつなぐポイント以外の提供機能
清水:実際、Star交換の仕組み以外にも機能を拡大しています。たとえば「マイコーヒーパスポート」という機能。これは、コーヒー豆を購入されたお客様に対し、購入の翌日に豆のパッケージを模したスタンプを表示する機能です。スタンプの下にメモ欄があるので、そこにお客様が味の感想や淹れ方のポイント、挽き目などの情報をご自身で書き込める仕様となっています。
2020年12月に実装した「マイストアパスポート」機能では、来店翌日にお客様が利用した店舗のオリジナルの画像とメッセージが表示されるようになっており、御朱印集めのように各店舗を巡る楽しみ方も可能です。
清水:また、2年前に実装したモバイルオーダー&ペイも会員限定サービスの1つです。「事前注文は店頭でのコミュニケーションが減ってしまうのでは?」と思われるかもしれませんが、混雑時に列へ並ぶ時間がないお客様にスムーズな商品提供を行えるようになったことで、それまでつながることができていなかったお客様ともつながりを持てるようになりました。
――スターバックス リワードの提供開始から約4年が経過しましたが、現状ではどのような成果が出てきているのでしょうか。
清水:提供開始時は150万人程度だった会員数も、2021年5月末時点で750万人まで伸長し、多くのお客様に利用いただいています。世の中のデジタルシフトとプログラムの拡充によって会員の利用率もかなり上がってきているので、そういう意味では「お客様とのつながり」を実感できています。