企業が管理職に求めるスキルとは?
1.組み立てる力
昨今においては、次々と予期せぬビジネスの課題が浮き彫りになり、これまでになく『課題解決力』が求められています。その中で、日系企業は全員野球に例えられるように比較的、組織という枠組みの中で管理職に求められる役割が明確になっている印象があります。
一方、外資系企業では「個が、組み立てるべきかどうかさえ決めないといけない」という場面が多く、管理職は業務の関与レベルさえ自身で決めてよい/決めなければならない傾向にあります。
たとえば、入社直後にクロスファンクション(社内横断)のプロジェクトや、本国との会議でプレゼンをしてみないか?というような誘いがあるなど、自分の意思で決める力、企画力、実行力が試されるケースが多いのです。組織に頼らずに、あなた自身が課題を見つけ、あなたの裁量で『仕事を組み立て、実行した力』を説明できる準備をしておくことをお勧めします。

2.アピール力
これは面接官に対するものではなく、入社後の話です。
企業サイズや社風によって異なりますが、日系企業では10年以上勤めた方でも「社長の顔を実際に見たことがないし、話したことも一度もない」という話もよく聞きます。このような場合、個のアピールは直属の上司に対して行うべきであり、上司からの評価は非常に重要です。
一方で、中小規模の外資系企業であればマネージャーレベルでも日本支社のジェネラルマネージャー(社長)や本国のCEOとさえミーティングをしたり、プレゼンをしたりする機会があるでしょう。特に、このケースは日本支社として本国にしっかりとアピールをしたいという気持ちは強く存在していることが多いため、新しく管理職に就いた人にもビジネスの現状を説明する力や、日本を代表して海外本社にアピールする力なども求められます。
要するに、外資系企業が求める「コミュニケーションスキル」というのは、「説明力」「メッセージ力」「アピール力」であったりするわけです。
3.改革力
これは、今後日系企業にチャレンジしたいと考えている方には一緒に考えていただきたいトピックです。ここ数年でグローバリゼーションが推進される中で、日系企業の多くは外資系企業の良い部分を取り入れ、マーケティング戦略の強化やジョブ型の採用プロセス、インセンティブ制度の導入など、いわゆるチェンジマネジメントや小さな改革に力を入れてきました。また、コロナ禍で一時停滞していた日系企業の海外事業は、Afterコロナにはその勢いを取り戻すでしょう。
こうした変化のスピードに応えていくためにも、日系企業の採用は、社内に存在しない経験や即戦力を、中途採用で社外から獲得する傾向があります。もちろん外資系企業も同様のケースは見られるのですが、外資系企業では社内公募や未経験者に学習ツールや資格習得の機会を与えることで、社内育成をしている例も多く見られます。
今後の日系企業では、あなたが管理職として培ってきた、改革力・改革を成功させた資質が求められるでしょう。あなたの課題解決の実績、プロジェクトマネージメント経験などを棚卸しすることで、どのように企業を改革していくのかという「改革ストーリー」を描く準備をしてみてはいかがでしょうか。