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コロナ禍に企業が求める、管理職のリアルなスキルとは?

優秀な管理職が、「残念ながらお見送り」にならないためには?

 前職で優秀な業績をあげた管理職のかたが転職で苦戦するケースがあります。パターンがあるのでご紹介しましょう。

1.正しい情報と正しい準備

 これまで、数多くの転職希望者と一緒に面接の準備をしてきました。その中で、特によく相談されるのは「自分の強みをどう伝えるべきなのか」です。

 たとえば、企業の採用担当者が作成したジョブディスクリプション(職務記述書)をみると、求める人物像として「コミュニケーションスキルの高い方」と書かれていることが多く、一方、転職希望者もコミュニケーションスキルを自身の強みと考える方が多いです。しかし、ここには大きな落とし穴があります。

 まず、コミュニケーションスキルとは具体的にどのようなスキルでしょうか?どうやったらそのスキルがあることを証明でき、どのような具体例や実績を用いて伝えるべきなのでしょうか?一口にコミュニケーションスキルと言っても企業によって求めるものは異なります。

 まずは「企業が求めているスキル」について具体的で正しい情報を入手することが重要です。転職エージェントを利用している場合はコンサルタント、直接応募の場合は人事担当者に質問して、求められている要件をきちんと理解しましょう。「柔軟性」「適応力」など、俗に言うソフトスキル全般で同じことが言えます。

 これらのソフトスキルは管理職にとって重要なスキルですが、それを面接でアピールしてお見送りとなる理由の多くは「強みが不明瞭」「経験・スキル不足」です。これらはほとんどのケースにおいて、事前の情報収集不足と準備不足が原因で発生しています。

 さらに、どういう人材が優秀かの定義も企業によって異なりますし、管理職とスタッフレベルでは、求められるコミュニケーションスキルやスタイルも異なります。管理職に求められている視座や着眼点を理解できると、過去の経験の話し方も変わってきます。いかに優秀な経験を持っており、話し方が上手であっても、企業が求めている人材像と異なれば面接には受かりません。このような準備がしっかりできていれば、面接の成功確率を上げられます。

2.バイアスを捨て、“リアルニーズ”を知る

 先ほど外資系企業や日系企業の傾向について触れましたが、それでも「外資系企業だから」「日系企業だから」もしくは、「大手企業だから」「ベンチャー企業だから」、「前職では……」というようにバイアス(先入観)をもって転職活動をするのは危険です。転職活動では転職先で何をしたいか以上に、何を求められているかを正しく理解することが求められるからです。

 「外資系企業は実力主義である」「日系企業は組織力を重視する」など、一部の企業例を強調した転職関連の記事をよく目にします。しかし外資系企業でも個より組織力を重視する企業もありますし、日系企業でも実力主義の会社はたくさんあります。さらに、企業単位ではなく、事業部単位でカルチャーの特徴は異なるものです。

 実際に「外資系企業は個の力をアピールすべきだ」と意気込んだ面接で「チームプレーができない人物」と判断されてしまった例もありました。このような場合、「優秀な人物だが、うちの社風に合わない」「今の事業部が求めている経験ではない」と判断をされることになります。

 そのため、『求められる資質』を理解することが重要になるのです。これで面接の合否の7割が決まると言っても過言ではありません。面接での様々な会話から、面接官から直接ビジネスの課題を聞くことができれば、絶好のアピールチャンスです。これらの“リアルニーズ”に対して、あなたが何を提供できるのかという視点で、自身をどのようにアピールすべきか考えます。そこで浮かんだ、多くのアイデアや話すべき経験を、根拠をもってお話しすることができれば、面接でのコミュニケーションスキルの評価がさらに高くなるでしょう。

3.質問力を発揮して、求められる人材を再確認する

 前述の「正しい情報」を得るためには、あなたの質問力を発揮し、面接の最後に「質問はありますか」と聞かれる前であっても、会話の流れに合わせながら思い切って質問してみることをお勧めします。

 転職エージェントを経由して応募した場合は、面接の前に詳細を確認ができるメリットがあります。たとえば、応募した企業では管理職にどのようなコミュニケーションスタイルが求められているのか、その背景は何なのか、どのような業界から中途採用をしており、どんな人が活躍しているのか、現在に至るまでのビジネスの課題そのものを質問しても良いと思います。

 仮に事前に企業情報を手にしていたとしても、仮説をもって面接であらためて質問をすることで、企業の意外な一面を知ることができるかもしれませんし、企業への志望度の高さをアピールすることにもつながるでしょう。

 一部の大手企業などでは、面接時間を30分間ほどと短めに設定していることもあります。限られた時間だからこそ、何が求められているのかという”リアルニーズ”を正しく理解した上で、あなたの強みを特定し、どのように伝えるのかをしっかりと準備して臨むことが面接での勝ちパターンなのです。組織の枠組みや役割分担を尊重した経験を話すべきなのか、個の企画力や実行力を話すべきなのか、企業が求める人材像を理解すればするほど、答えにたどりつくのはより簡単になるはずです。

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この記事の著者

高橋 敏行(タカハシ トシユキ)

 2005年カリフォルニア州立大学フラートン校卒業後、消費財を扱うグローバル企業で国内およびアジア全域における営業戦略に7年半携わる。2014年 エンワールド・ジャパンに転職コンサルタントとして入社。2016年 リクルートメントインターナショナル アジアアワードをチーム受賞。2017年 消費財部門のセールス・マーケ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/09/10 08:00 https://markezine.jp/article/detail/37125

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