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デジタルで広がる、オフライン広告の可能性

2021年上半期に話題になった「オフライン広告」とは? 特徴と話題化のコツを探る


「新聞広告」がSNS上で話題化

 大日本除虫菊株式会社(KINCHO)の新聞広告もSNSで話題になりました。

参考:KINCHO新聞広告
参考:KINCHO新聞広告

 この新聞広告では、新聞広告の優位性をインターネット広告と比較しながら説明。インターネット広告の嫌な部分を箇条書きで指摘しつつ、新聞広告の良さを改めて伝えた内容となっています。

 これだけでも十分おもしろい広告ですが、これで終わらないのがKINCHOの新聞広告。今までの内容を無視するように、下部では「デジタルキャンペーンやってます!ホームページをご覧ください。いますぐご覧ください。」と強くホームページへ誘導。URL末尾が「internet/daisuki(インターネット大好き)」のページへアクセスすると、虹色に輝くエフェクトや動く文字など、なんとも懐かしい雰囲気のページが出現する仕掛けとなっています。

参考:大日本除虫菊株式会社「デジタル時代のプレミアムキャンペーン!DIGITAL KINCHO 4G」
参考:大日本除虫菊株式会社「デジタル時代のプレミアムキャンペーン!DIGITAL KINCHO 4G」

 新聞広告が良いと肯定しているわけでも、インターネット広告が悪いと否定しているわけでもなく…そもそもKINCHOって殺虫剤のメーカーですよね…と色々ツッコミどころ満載の同広告。

 新聞広告でありながら、最終的にはインターネット上で拡散されて話題に。Twitterでは、あるユーザーの投稿が4,000RT、約10,000いいねを記録。昨今、サードパーティーCookie排除の流れやインターネット広告への不快感を抱いていたユーザーを中心に賛同する意見が多く見られました。

 キンカン、KINCHOともに、世の中の話題や自社の課題感にフォーカスした内容でした。

 両社とも、ただ一方的なメッセージ発信ではなく、ユーザーが自由に意見できるツッコミどころを残すことで、広がりを見せた事例でした。

 今回ご紹介した広告は、話題となった広告のうちのほんの一部でしかありません。狙ってできることではありませんが、オフラインメディアとWeb・SNSとの親和性は非常に高く、より多くの方に自社の事を知ってもらうには最適な広告手段です。

 最近だと、「新宿の3D巨大猫」のような最新技術を使ったコンテンツも増えてきています。

広告間に流れる愛くるしい猫の映像を一目見ようと、ビジョン近くは“猫待ち”の人で賑わいました。

 今後、広告クリエイティブの表現方法がより多彩になることで、巨大猫のようなユーザーも一緒に楽しめるコンテンツも増えてきそうな予感です。下半期はどんな広告と出会えるのか、楽しみですね。

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この記事の著者

加藤 誠也(カトウ セイヤ)

株式会社ビズパ アドクロ編集長

 食品メーカーで営業職を経験後、2019年に同社入社。主に、編集長として広告・マーケティングの情報メディア「アドクロ」のコンテンツ制作を担当。「広告巡礼」を日課としており、Xでは見つけた広告事例に考察を添えて発信、テレビ出演やセミナー登壇も多数。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/10/28 11:42 https://markezine.jp/article/detail/37176

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