ユーザーがコンテンツにたどり着く前後のフリクションとは?
3、コンテンツに到達しようとする行動を取る
コンテンツを見ようと決めた後は、コンテンツにたどり着くためのリンクをWebサイト内で探すことになります。この場合、ユーザーはどうすれば到達できるかを考えます。グローバルメニューやサイト内検索、最近ではチャットを使うという場合もあるでしょう。
ここでは「探し方・到達の仕方がわからない」ということがフリクションになります。コンテンツがWebサイトの奥のほうにあって、何回もクリックしないとたどり着けなかったり、サイト内検索やハンバーガーメニューなどの機能に気が付かなかったり、それらの機能をするのが面倒だと感じたり、使い方がよくわからなかったりと、この時点でのフリクションは多々あります。
特にネット利用に不慣れなユーザーは、探し方を支援するいろいろな機能があっても使いこなせずに離脱してしまう……ということが起きがちです。
こうしたユーザーがいることも踏まえて、Webサイトが用意しているコンテンツを探すための機能やサービス、メニューなどについてちゃんと伝え、使い方を理解してもらうことがフリクションレスな体験を作る上で重要になります。
フリクション
コンテンツを見ようとしているにもかかわらず、どこにあるのかがわからない・到達の仕方がわからない
フリクションレスにするには
コンテンツの探し方、たどり着き方をわかりやすくする
4、コンテンツに到達し内容を理解する
コンテンツに到達しても、まだ終わりではありません。最後にそのコンテンツの内容を理解する必要があります。書いてあることと、それを読めばわかるかというのは別の問題です。
ユーザーにとって初めての情報だったり、ネット利用に不慣れな人にとって複雑な概念だったりすると、理解のハードルも上がります。わかりにくい表現で説明されていたり、長文で書かれていたりするのもユーザーにとってはフリクションとなります。
たとえば先ほども挙げた返品ポリシーの説明は、正確性を重視するあまり、ぱっと見てわかりにくくなっているECサイトも散見されます。
ここでは、簡潔に理解できるようなコンテンツを準備しておくことがフリクションレスな体験を作る上で重要になります。
フリクション
コンテンツに到達したにもかかわらず、内容を理解することができない
フリクションレスにするには
コンテンツの内容を簡潔にしてわかりやすくする。ターゲットとなるユーザーに実際にサイトを見てもらい、きちんと情報が伝わっているかを確認するのも良い
「フリクションレスな体験を作る」という観点でパーソナライズを捉える
ユーザー層の拡大が急速に進んでいる今日、「こんなことがフリクションになるのか?」と疑問に思うようなことが、ユーザーにとって大きなフリクションになっているという意識を持つことが非常に重要になってきています。
また、こうしたフリクションを解消していくためには、パーソナライズ精度を高めていくことがあわせて重要になります。たとえばハンバーガーメニューを知っているユーザーに「ここをクリックすると商品一覧が見られます」といったところで、「そんなのわかってる」という「うざい案内」にしかならないでしょう。
一方、これを教えてあげないとずっと気づかないユーザーも存在します。ですので「ユーザーに合わせてどの案内をどんなタイミングで出すのか」をパーソナライズすることが重要になるのです。
「フリクションレスな体験を作る」という観点でパーソナライズを捉えると、おすすめ商品を伝えるだけがパーソナライズではない、ということもわかってくるのではないでしょうか。
フリクションを減らせば減らすほどユーザーの体験が向上し、結果としてコンバージョンに至るユーザーを増やすことができます。それは、商品の良さを理解してくれるユーザーを増やすことにもつながります。長期的な関係性構築の第一歩として、ぜひフリクションレスな体験設計を考えてみてください。
次回は、具体的にどのようにKGIやKPIを組み立てていけばいいのか、コンバージョンを最適化する考え方をご紹介していきます。
