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特集:BtoBビジネスの勝敗を分ける戦略

認知だけじゃない!BtoB企業がYouTubeを活用すべき理由と運用のポイント

コンテンツ選定、動画作りのポイントは?

――では、続いてBtoB企業におけるYouTubeコンテンツのポイントについてお伺いします。まずコンテンツの選び方について教えてください。

中山:コンテンツ選定のポイントは大きく2つあります。1つは社内に目を向けること。多くの場合、ネタは既に社内にあります。ドライブに眠っている商談やセミナー登壇のための資料が、お客様目線で見ると価値の高いものだったということは往々にしてあります。ただ、何もしないと寝かせているだけになるので、それを上手に掘り起こす必要があります。そのため、私は積極的に社内にヒアリングしたり、社員が登壇するセミナーなどをチェックしたりしていますね。あとは自社で既にブログを運営している場合、それをまっさらな目でもう一度見てみるのも1つの手です。良いコンテンツがあれば動画化したり、逆に動画をテキスト化したりと相互に活用することができます。

 もう1つは、業界の流れをいち早く察知すること。国内外の業界メディアやGoogle/Yahoo!などの公式情報を日々チェックし、ターゲット層が疑問を持つだろう事柄に対して、先回りしてアンサー動画を作っておくのです。この中と外、2つを見る視点でコンテンツは選定しています。

――動画を作る際に意識すべきポイントについても教えてください。

中山:まず前提としてお伝えしたいのは、「何が当たるかはやってみないとわからない」ということ。良い意味でも悪い意味でも、YouTubeは思った通りになりません。当たると思った動画にまったく反応がないこともあれば、逆に、意外なところに反応があることもある。そのため、「これしかない」と決めつけて突き進むのではなく、世間の反応を見ながら、だめだと思ったら方向転換するなど柔軟性を持つことが大切です。まずやってみて、評価は世間に任せるというのが、基本マインドです。

 そのうえでのアドバイスとなりますが、まず、動画は長過ぎるとよくありません。具体的には15分以上だと長過ぎるので、できれば10分、もしくは5分で完結させるほうが良いです。また、その5分の密度を高くすることも重要です。

 密度を高くするというのは、“情報を押し込む”ということではなく、“無駄を削る”ということです。テキストコンテンツよりも、YouTubeのほうが遥かにせっかちな世界なので、「つまらない」と思われたら早々に離脱されてしまいます。そのため、つまらないオープニングトークや求められていない自己紹介は行わず、とにかく美味しいところだけを凝縮し、間延びさせないことが重要です。じっと見ていても退屈しないし、いらいらしない、でも情報を浴びられる。これが理想です。そうすると視聴維持率が高くなりますので、YouTubeにも高く評価され、結果的にインプレッションも上がるという好循環が生まれます。

 いかにサムネイルで釣ろうが、だめなものは一瞬で離脱されてしまうので、YouTubeではタイトルもサムネイルも良く、かつ中身も良いという動画を作っていく必要があります。このあたりはデータを見ながら、微調整を繰り返していくことで成功パターンが見えてくると思います。

「まずはとにかく作ってみる」ことから

――最後に、「ミエルカチャンネル」の今後の目標と、YouTube活用を始めたい読者へのアドバイスをお願いします。

中山:今後の目標としては、まずはチャンネル登録者数1万人を目指すこと。そのために、扱う領域の裾野を広げていきたいと考えています。現在はSEOに特化していますが、今後はWebマーケティング領域全体に目を向け、たくさんの人が困っているであろう事柄に対して、役立つ情報を発信していきたいですね。

 YouTube活用についてのアドバイスとしては、「まずはやってみてください」というところでしょうか。先程もお伝えしたとおり、YouTubeは「何が当たるかやってみないとわからない」世界です。いくらディスカッションを繰り返そうと、動画を出さないとゼロはゼロ。とりあえず1本でも2本でも出してみないと、永遠に答えはわかりません。完璧を目指してしまうと、始まる前に終わってしまいますので、まずはとにかく出し、評価は世間に任せるのが良いと思います。

 ただ、やはり動画はブログ記事を公開するよりも勇気がいるものだと思います。なので、まずはライトに作ってみて、限定公開(非公開なのでYouTubeで公開はされない)にして関係者だけで見てみるのもいいと思います。1回作ってみると、みんなの意識のすり合わせができます。「こういう動画が良いかも」「ちょっとイメージと違うんだけど、こう変更するのはどうかな?」と話し合えるだけでも有意義です。完成度が低くても構わないので、まずは一度作ってみることをお勧めします。

 また、これからチャンネルを立ち上げる方には、始める前に「チャンネルの目的」をきちんと明文化しておき、経営層含め、社内で認識をすり合わせておくことをお勧めします。ふわっとした言葉で伝えるのではなく、「こういう目的で始める。そのためにマイルストーンとしては3ヵ月、半年で○○という目標がある。そのためにこういうコンテンツを作り、こういう人をアサインする、予算はいくらで~」と具体的に文章化しておくのです。目的以外のことは枝葉ですが、とにかく最初にYouTubeをやる大義名分を社内で握っておくと、その後がスムーズに進みます。またチャンネル運営で悩んだ際の指針にもなります。ゼロベースで始めるとすごく時間と労力がかかる部分ではありますが、とても重要なところですので、ぜひ取り組んでみてください。

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/01 16:21 https://markezine.jp/article/detail/37312

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