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特集:BtoBビジネスの勝敗を分ける戦略

認知だけじゃない!BtoB企業がYouTubeを活用すべき理由と運用のポイント

「認知」向上に加え「CV」にも間接貢献

――ブログも運営されているということですが、御社のマーケティング戦略全体の中で『ミエルカチャンネル』はどういった位置づけに存在しているのでしょうか。

中山:主にファネルの一番上、最初の接点作りを担っています。私たちが提供しているのはBtoB商材ですので、YouTubeを見てもらえたからと言ってすぐにコンバージョン(CV)につながるわけではありません。ですが、これまで当社や当社が提供するサービスについて知らなかった人、あるいは知ってはいるけれど利用意向を持っていなかった方たちが、「このチャンネルの動画は役に立つ」とチャンネル登録して日々見てもらえるようになることで、徐々に関心を持ち始め、半年後に問い合わせが来るということは、十分にあり得ますよね。

 このあたりはデータで可視化するのが非常に困難なところではあるのですが、契約してくださった方に「YouTubeを見てくださっていたか/それが契約に影響を与えたか」といったことをアンケートで聞いてみたり、動画経由で問い合わせをしてくださった方をパラメータで追ってみたりと、どうにか可視化できないかと、現在模索しているところです。

©MicroOne – stock.adobe.com

――ちなみに、つながりはどのくらい見えてきていますか?

中山:まだ完全に可視化できているわけではありませんが、数でいうと、YouTube経由で契約、あるいは問い合わせを行ってくださる方はまだ多くはありません。ただ、運営することで徐々にわかってきたことがあります。それは、YouTubeは直接的なCVというよりも、他部署の業務を後押しする形で間接的にCVに貢献しているということです。

 たとえばセールス部門においては、商談前にクライアントがYouTubeを見てくださっており、それにより商談がスムーズに進んだということが実際に起きています。また商談前後に、クライアントの課題解決に役立つYouTube動画をセールス担当者がフォロー的に送ることで、関係構築につなげているケースもあります。

 またカスタマーサポート(CS)部門でよく聞かれる質問に対するアンサー動画を作っておくなど、YouTubeチャンネルは既存のお客様のサポートにも有効です。

――認知の段階だけではなく、検討時や契約後にもYouTubeチャンネルは活用できるということですね。

中山:そうですね。YouTubeを運営する一番の目的は、最初の接点作りやファンの獲得なので、費用対効果だけを見てしまうと、その効果に疑問を感じてしまうかもしれません。これはオウンドメディアでもよく聞く課題ですね。ですが、先程お話ししたように、セールスやCS、また採用の後押しになっているケースが増えてきています。実際にセールス担当者に話を聞いてみても「アポが取りやすくなった」「商談の時も話が早い」というフィードバックをもらっており、YouTubeがCVの確度を高めているように感じています。YouTubeを通して当社や当社サービス、そしてメンバーについて知ってもらい、信頼感を持ってもらう。そういった間接貢献は確実に大きくなってきていますね。

YouTubeで追うべき「数」と「質」

――ここからは、YouTubeチャンネルの運営方法について詳しく聞いていきたいと思います。まず運営体制について教えていただけますか?

中山:現在運営メンバーは社内2名、外部パートナー1名の3名体制です。社内メンバーの一人が私で、チャンネルの方向性を決める、ネタを決める、分析するなどの全体指揮をとっています。もう一人は大学生のインターンですが、現場指揮をとっています。実際に撮影したり、撮影するための指示書を作ったり、あとは外部の編集担当者とのやり取りなどを行ってくれています。最初は全部自分たちでやっていたのですが、現在は動画の編集は外部パートナーにお願いしています。

――YouTubeチャンネルの運営で設定しているKPIを教えてください。

中山:現在数字として追っているのは、「チャンネル登録者数」「インプレッション数(YouTubeでどのくらい表示されたか)」「再生回数」、そして「視聴者維持率」の大きく4つです。

 まずチャンネル登録者数についてですが、こちらはイコール「ファンの数」として捉えているので、大切な指標です。現在は5,400名ほどですが、年内に1万人を目指しています。一方で、登録者数だけを追えばいいかというと、そうではありません。やはり多くの方に動画を見ていただかないと長期的な成長にはつながりませんので、YouTubeでどれだけ表示されたかというインプレッション数や動画の再生回数も指標として追っています。

 また再生されればOKかというと、そうでもありません。伝えたいことがきちんと伝わっているのかを図るため、再生時間=再生の質も分析しています。「どのくらい表示され(インプレッション)、そこからどのくらいのパーセンテージで再生され(再生回数)、再生した人がどれだけ見たか(視聴者維持率)」を分析します。

――分析は動画を公開する度に行っているのですか?

中山:はい、毎回行います。でないと、改善できませんから。YouTube運営においては、動画の数を追うことも重要ですが、良い成果、あるいは悪い成果が出たとき、「良かったね。悪かったね」で終わらせず、「なぜそうだったか?」を振り返り、仮説を立て、改善していくことが最も重要だと考えています。

YouTubeで追う3つの指標

1.チャンネル登録者数(=ファンの数)
2.再生回数YouTube上でどれだけ表示され、そのうちどれだけクリックされたか
3.視聴者維持率(=再生の質)

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コンテンツ選定、動画作りのポイントは?

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/01 16:21 https://markezine.jp/article/detail/37312

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