ファンは多様。踏み込みすぎないコミュニケーションを大切に
MZ:フェリシモのオウンドメディア「OshiKra(オシクラ)」では、OSYAIROの開発プロセスなども公開され、そのストーリーもおもしろいですね。
山川:オタクって、しゃべりたいじゃないですか(笑)。共有して、「そうそう!」って共感しあいたい。私自身、フェリシモのカタログを担当していることもあり、「伝えたい」「わかってほしい」の気持ちは強いです。
MZ:こだわったポイントがお客さまに伝わると、やはり嬉しいですよね。
山川:そうですね。一方で、推し活の楽しみ方、推しへの関わり方は本当に人それぞれです。同じアイドルを応援していても、ライブが好きな人、グッズを集めたい人など、様々なタイプがいます。「こうでしょ」の決めつけや、わざとらしい共感作りは、「なんか違うね」と透けて見えてしまいます。私たちの考え方やお届けするアイテムに対して、「OSYAIROっていいな、楽しそうだな」と自然に共感していただける方と、これからもご一緒できたらと考えています。
その上で、コミュニケーションの言葉には、とても気をつけています。OshiKraチームにも、いろんなジャンルのファン、年齢層のメンバーがいます。定期的に集まって、実体験や日々感じていることをベースに、「どのように発信していくか?」を一緒に考えています。
たとえば、私やオタ活部のメンバーは、自分たちのことを「オタク」と呼びますが、誰かに対してその表現を使うことは避けています。このあたりのニュアンスは、推し活をしていないとわからない、ナイーブな心の内です。はっきりとした正解がないものですが、自分たちを信じつつ議論をして、表現を判断しています。
みんなの「好き」を共有しあえる場を作り、仲間を増やしたい
MZ:終わりに、今後の展望を教えてください。
若狭:フェリシモには、「ともにしあわせになるしあわせ」というコアバリューがあり、作り手の私たちも一緒に、お客さまと楽しくなるような関係を作っていきたいと考えています。フェリシモがやるからには、独自性を盛り込んでいきたいと思います。そのきっかけとしての部活は、これからも増やしていきたいですし、OSYAIROはもっと拡張できる可能性を秘めていると感じます。
山川:これからも、OSYAIROのラインナップを広げていきたいです。オタ活部を立ち上げて、OSYAIROをスタートしてからの2~3年の間に、推し活を取り巻く環境や世の中の注目度が変わったと感じます。今後は私たちだけでなく、お客さまや企業の方も一緒に開発できる企画をしたいと、考えているところです。OshiKraチームとも、みんなで集まれる場所を作って、推し活の楽しさや悩みを共有しあい、「仲間を作りたいね」と話しています。