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特集:きれいごとで終わらせないパーパス・ブランディング

パーパスと混同されやすい、企業理念を表す言葉

「パーパス」という呼び名に囚われる必要はない

 パーパスには様々な形があり、1つのスタイルに縛られない点も特徴です。「ミッション・ビジョン・バリューズ」は、3つセットで語られるケースが多いですが、パーパスにはこのような体系を規定する考えがありません。その企業に合った形で柔軟に導入することが優先されるべき事項であり、パーパスに合わせて既存の理念体系をすべて見直す場合もあれば、既存の理念体系に新たにパーパスを加える場合もあるでしょう。

 あるいは、その呼び名に関わらず、今ある企業理念が存在理由を示しているのであれば、それも組織のパーパスと捉えることができます。たとえば、スターバックスが自社の存在理由を「ミッション」という呼び名で表しているように、パーパス・ドリブン企業として知られる企業でも、パーパスが「ミッション」や「ビジョン」と呼ばれているケースは多く存在します。

明確なパーパスがあると、社会貢献活動にも軸ができる

 パーパスの概念は「サステナビリティ」や「SDGs」と関係性が深いと言われ、混同されることもありますが、これはなぜなのでしょうか。

 パーパスが、「人のため、社会のために、自社がなぜ存在するか」という理由を説明するものである以上、その「人」や「社会」が持続しない限り、ビジネスは立ち消えてしまいます。そのため、地球や環境の持続に向けて、企業は責任を果たし努力する必要があります。それこそが「サステナビリティ」です。

 パーパスを策定したからといって、必ずしもそのパーパスにサステナブルな要素を入れなければいけないということはありません。しかし、すでにご説明したように、パーパスが最終的に行き着くところは「人」や「社会」となりますから、社会の持続性にマイナスになるようなビジネスは、パーパスを果たさないということになります。

 もう一点、SDGsは持続可能な開発目標、つまり「目標」であって、パーパスのように「目的」ではありません。ただ、17の項目にわたるシンプルながら崇高な目標として定められているため、どれかしらが組織のパーパスとリンクする可能性が大きいのです。

 実態として、「社会貢献のアピールのためにSDGsを表明し、バッジをつけ、その一環でパーパスもやりましょう」というような表層的なケースが多いのは事実です。しかし、本来は「我々のパーパスは××××であるから、それを実現するために○○○○のような取り組みをしており、これはSDGsで掲げられている項目とも共通している」という順序であるべきです。

 これからの時代のビジネスにおいて、「パーパス」または「パーパス的な企業理念」を持ち、サステナビリティを意識して活動することは、必須項目である言っても過言ではないでしょう。ですが、これらを流行の一環として簡単に取り入れたところで、本当のパーパス・ドリブン組織にはなれませんし、真のサステナビリティの実現も果たせません。

 パーパスというものは、たとえ策定されていなくても、どの組織にも存在しているものです。これがはっきりしていないことには、サステナビリティやSDGsに着手するにしても、どこから手を付ければいいのかわからないでしょう。つまり、やはりここでも「自分たちがなぜ存在するのか」がしっかり明文化されていることが重要になるのです。パーパスを軸に判断・行動していくことで、組織として社会のサステナビリティにどのように貢献できるか、自ずと見えてくるのではないでしょうか。

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2021/11/25 09:30 https://markezine.jp/article/detail/37784

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