業界のDXで広がる、グローバルでの可能性に挑戦(ソニー・ミュージックレーベルズ)
2021年を振り返って
我々のチームのヒットした商品としては、宇多田ヒカルの「One Last Kiss」が挙げられます。この楽曲は映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のテーマソングとして、コロナ禍で様々な変更や制限を強いられる中、映画サイドと緻密に連携することによって話題の最大化を創出できたことが功を奏したと思います。宇多田ヒカルに関しては、Apple MusicやSpotifyなどの国内外のサブスクリプションマーケットにおいて、非常に高い成果を得られたことも大きな収穫でした。
2022年のミッション
今までマーケティング戦略を立てるときは、メディアを介した一方向的な発信による“コミュニケーション”を重点に考えていましたが、これからはコンテンツから生まれる“コミュニティ”の動向、質に注目した上でコミュニケーションの設計をすべきだと考えています。また、DXが進めば進むほど、国内だけでなく海外にもマーケットのチャンスが広がっていくことは間違いなく、これを意識したグローバルマーケティングプランにも挑戦したいと思っています。

第3レーベルグループ EPICレコードジャパン
第三制作部部長 梶 望氏
第3レーベルグループ EPICレコードジャパン 第三制作部部長 梶 望氏
1971年静岡県生まれ。中央大学理工学部卒業。ソニー・ミュージックレーベルズにて宇多田ヒカル、いきものがかりを中心としたA&R業務に携わるほか、ソニー・ミュージックテインメントでも世界ゆるミュージック協会などの新規事業開発も兼務。
リアル×デジタルで1stパーティデータの活用を強化(中川政七商店)
2021年を振り返って
2021年は、「リアルデータ捕捉」と「データ活用」を組み合わせることで、リアルとデジタルを融合した顧客体験の改善に取り組みました。「リアルデータ捕捉」は、直営店での会計時に、事前に設定した定義に近いお客様を販売員がPOS上で選択し、会員データと紐づけました。結果、データを連携できたお客様は全体の平均よりもメルマガの反応率が良くなるなどの検証ができました。「データ活用」については、お客様のアクションによりバッジが増える『鹿蒐集』という独自のサービスを活用。バッジとデジタル上での行動をキーにシナリオを組みコミュニケーションを行った結果、従来の2倍以上のアクションが得られるなど大きな成果がありました。
2022年のミッション
重要性が高まる「ファーストパーティの最大活用」に向けて、「データの量と質」「データ活用によるUX向上」を強化していきます。「データの量と質」に関しては、データを頂ける会員様の人数増加のため、会員フローの簡略化と会員特典の見直しを図ります。加えて、「データ活用によるUX向上」については、個人情報保護の観点から、データの取り扱いについてご懸念されるお客様も多いと思います。だからこそ、収集されたデータの使い道を明確にし、心地好い顧客体験に繋がるという信頼を獲得することが、非常に重要だと考えています。

BCSプロジェクトマネージャー 中田勇樹氏
1989年生まれ。明星大学心理・教育学部卒業後、2012年AOKIに入社、MD・DB、新規事業立ち上げを経験。2019年にmodeに入社、インターネット販売戦略支援及び実店舗向け集客支援に従事。2021年に中川政七商店に入社、BCSプロジェクトのマネージャーを担当している。