※本記事は、2021年12月25日刊行の定期誌『MarkeZine』72号に掲載したものです。
以下6名の方からコメントをいただきました。
Sansan 福永和洋氏/タイミー 中川祥一氏/日本IBM 風口悦子氏/富士通 山本 多絵子氏/ヘイ 山﨑佑介氏/ラクスル 中野竜太郎氏
「名刺管理からDX支援へ」企業イメージの転換を目指す(Sansan)
2021年を振り返って
コロナ禍において、企業のDX推進が加速することで、オンラインならではの可能性を感じるとともに、オフラインのコミュニケ-ションの重要性を再認識することになりました。特に営業現場においては顕著であり、緊急事態宣言が解除され、オンラインとオフラインのハイブリッド型のコミュニケーションが主流になりつつある中、当社では、顧客とのすべての接点情報をデータとして蓄積・管理・活用することの重要性の訴求に努めました。あわせて、単なるITツール導入による生産性向上にとどまらず、データ活用による本質的なDX推進に貢献できるサービスを提供しているというブランドイメージを定着させるため、テレビCMも積極的に活用しました。
2022年のミッション
当社は創業から向き合い続けている「名刺」だけでなく、オンライン商談やメールのやりとりなど様々な顧客との接点をデータ化し、営業活動に活かせるデータベースを提供しようと考えています。また、名刺情報をデータ化する技術を請求書、契約書へと横展開しており、それらのサービス展開も加速させる予定です。2022年は、それらを内包する「働き方を変えるDXサービス」の認知向上により、「名刺管理だけでない」企業イメージに転換できるよう、コーポレートブランディングには引き続き注力していきたいと考えています。
ビジネス統括本部 マーケティング部 部長 福永和洋氏
人材業界やゴルフ業界など事業会社でのマーケティングを担当し、2019年Sansan入社。法人向けの各種ソリューション(Sansan、Bill One、Seminar One、Contract One、名刺メーカー)に関するマーケティング施策の全般の推進を担当。
コントロールできない逆境の中、どう戦うか(タイミー)
2021年を振り返って
コントロールできない逆境の状況で、スタートアップとして大きく速く成長していくための大規模投資をどう扱うかが一つのテーマでした。企業規模の観点からも、どのタイミングでどの程度の規模の投資をするべきか、その結果のインパクトが大きすぎるためです。どんな結果が出れば成功と呼べるのかを自社のビジネスモデルに沿って出来る限り精緻に、いくつかのケースの数値シミュレーションをし、最も保守的なケースであったとしてもメリットのほうが上回ると確信できるまで検証を行いました。またそのための実証実験も事前に実施し、材料となる反響データも2020年から収集していました。
2022年のミッション
タイミーというプロダクトの特性上、求人を「掲載」する事業者と求人に「応募」するユーザーが存在します。2022年もそれぞれがより安心してタイミーを使えるよう、ボトルネックになっていることを取り除いていきます。ボトルネック解消の際に深く検討が必要になってくるトピックとしては、2サイドプラットフォームとしてどこから手をつけるべきなのか、デジタル施策で賄いきれない(得意でない)ところが出てきた場合、どう解決していくのか、の整理です。この際、マーケティングのセクションのみならず全社の各セクションのベクトルを揃えながら突き進む状態の実現も重要と考えています。
執行役員 CMO 中川祥一氏
一橋大学卒業後、2009年4月にアサツーディ・ケイ入社(当時)。デジタル領域およびテレビCMを中心とするマス領域のプランナー/データアナリストとして、多種多様なクライアントのマーケティング活動をサポート。JapanTaxi(当時)、メルカリ/メルペイでのマーケティング職を経て、2020年3月にタイミーへジョイン。ユーザー(toC)・事業者(toB)双方のマーケティングを統括。