コンシューマーサービスは鮮度が命
MZ:では、モバイルヒーローに共通する課題はありますか。
天野:トピックとしてよく挙がっていたのは、組織体制の話です。マーケティング部門とそれ以外のビジネス部門の連携や、「どこまでをマーケティング部門の範疇とするか」という業務の切り分けに課題を感じている方は多かったように思います。
北谷:弊社では他部署と連携し、自分たちが先導してどんどんトライしていきながらスピード感をもって動いています。それができるのは、トリマが自走を前提に発足したプロジェクトだったからかもしれません。コンシューマーサービスは“生もの”なので、クイックに施策を打たなければ鮮度が落ちてしまう気がするんです。
天野:私も北谷さんと同意見です。特に大企業は施策の実行まで時間を要する傾向がありますよね。一方で、連載の第3回に出てくださったミクシィの道下さんのように、新規事業で培ったスピード感をモンストのような大きい事業にも活かそうと努力されている方もいらっしゃいました。
内藤:皆様から共通のお悩みとして挙がったのは「社外の人との交流機会減少」です。以前はいろんな人とリアルで会って情報交換ができていたのに、オンラインでは新しい人と知り合う機会が少なくなってしまったようです。
MZ:北谷さんは社外の人との交流を重要だと思われますか。
北谷:自分と同じような立場の方とは共通の悩みを話せますし、他ジャンルの方からは各ジャンルに特有の課題を聞けるので、自社では経験していないことも置き換えて想像することができますよね。そうやって得たノウハウは日々の業務にも活かせると思うので、横のつながりやコミュニケーションは大事だと思います。
内藤:アプリ業界は環境変化が激しいので、Mobile HeroesではLiftoffのユーザーであるかどうかを問わず、様々な人がつながっていけるエコシステムを形成していきたいと考えています。
アプリマーケターのキャリアアップにつながる場へ
MZ:LiftoffではMobile Heroesの正式ローンチに向け、本連載や自社ブログを通じた情報発信などの準備を着々と進めてきました。本格始動にあたり、今後の活動予定をお聞かせください。
内藤: 2021年12月9日(木)に「Mobile Heroes Meetup」というイベントを開催し、そこで初めて10名のモバイルヒーローの方々に集まっていただきました。今後も社会情勢を加味しながらモバイルヒーロー同士が交流できる機会を提供していきます。あわせてブログでは、新しいモバイルヒーローへの取材記事を毎月掲載する予定です。
天野:これはアドテク業界に長く身を置く中で知ったことなのですが、パブリッシャーやアドマネタイズをしている人たちはカジュアルに集まって情報交換をする一方、出稿側にはそうした文化が希薄で、集まろうとすると大々的なイベントになってしまうんです。来年はイベントと別で気楽に集まれる場を提供したいと考えています。
MZ:最後に、アプリマーケターとして活動中の方や、ネクストキャリアとしてアプリマーケターを検討している読者に向けて、Mobile Heroesへの参加を促すメッセージをお願いします。
内藤:モバイル業界で活躍されている方とお話をすることによって、新たな知見や人とのつながりが生まれることは多いと思います。そういった意味でも、コミュニティなど社外でアウトプットをする機会は非常に重要だと思いますし、それによって自分自身のキャリアのプラスになることもあると思います。参画いただくモバイルヒーローの皆様に価値を還元しながら、モバイルマーケット全体を盛り上げていきたいです。
天野:最近、モバイルヒーロー同士が交流をきっかけに新しいビジネスの創出に至ったそうです。我々が働きかけたわけではなく、自然と事が運びました。今後もビジネスやキャリアチェンジの機会を増やし、意義深いコミュニティにしていきたいと思います。