動画広告で運用型クリエイティブを実現するための3ステップ
第1回・第2回では、デジタル広告を取り巻く環境の変化や、動画広告を作るために押さえておきたい7つのポイントについて触れてきました。最終回となる本記事では、いよいよ実践編に入ります。
継続的にクリエイティブを量産し、検証・改善を重ねていく「運用型クリエイティブ」の重要性は第2回で述べた通りです。今回は、動画広告で運用型クリエイティブを実現するための3つのステップをご紹介します。
ステップ1.目的・メッセージを整理する
動画の具体的な内容を検討する前に、まずはメッセージの整理から取り掛かります。「先に配信面を選定すべきでは?」と思われるかもしれませんが、目的やターゲットが決まらない限り、最適な配信面は決まりません。
メッセージは具体的に、以下のような要素を含みます。
ターゲット…商品・サービスが対象とする「顧客」は誰か?
ペインポイント…その顧客はどんな「困りごと」を抱えているか?
共通メリット…自社でも競合でも提供できる「メリット」は何か?
独自メリット…自社でしか提供できない「メリット」は何か?
アクション…対象顧客にしてほしい「行動」は何か?
特に重要なのが、第2回でも触れた「ターゲット」と「ペインポイント」の定義です。商品・サービスが対象とする「顧客」は誰なのか、その顧客はどんな困りごとを抱えているのか。この定義が間違っている、もしくはそもそも存在しない場合、どれだけクオリティの高いクリエイティブを作ったとしても、成果にはうまくつながりません。
ターゲットとペインポイントを定めるためのアプローチとして、カスタマーサクセス、コールセンター、セールスなどへのヒアリングをお薦めします。顧客に直接ヒアリングをするのももちろんよいですが、普段から顧客と近い接点を持っているチームを巻き込み、顧客の生の声を集めて顕在化したペインポイントを見つけましょう。同時に、顧客がまだ気づいていない潜在的なペインポイントについても仮説を立てることが大切です。
独自メリットこそが差別化ポイント
また、顧客が抱える困りごとを解決する商品・サービスの「メリット」も整理しましょう。この時に意識するとよいのは、そのメリットが自社でも競合でも提供可能な「共通メリット」なのか、自社でしか提供できない「独自メリット」なのかという点です。商品・サービスにとっては独自メリットこそが差別化のポイントとなるため、共通メリットと切り分けて理解しておきましょう。