MERYは、 公式Instagramアカウント「MERY BEAUTY」で2021年4月~2021年11月の投稿内容を分析。「MERY インスタ美容アワード2021」として、今Z世代の女性が求めているものを発表した。
ランキングは、”いいね”ランキングと”保存”ランキングに別れている。Z世代は、”いいね”と”保存”でそれぞれ求めているものが異なるためだ。
いいねランキングを見ると、ネイルの情報が多く、Instagramを通して、ネイルを検索していることがうかがえる。また、「いいね」に影響するキーワードは「つやつや・ぷるぷる・自分モテ」。オフィスでも使用できるけれどもコンサバすぎず、自分の気持ちを上げてくれる、そんなものを求めて「いいね」をしていると考えられる。
ネイルはそもそもハッシュタグからの流入数が多く、インスタグラムユーザーから関心が高いジャンルだ。いいねランキングで1位となったコスメデコルテのピンクのネイルポリッシュの投稿は、特に「今っぽいオシャレさ」や「甘さのある絶妙な色味」「ツヤツヤの質感」が多くの女性のインサイトを捉えた。
2位はネイルサロン紹介の投稿だ。1枚目は、人気のカラーを含むキラキラした淡い色味やオーロラカラーが並んだ、ネイルカラーサンプルの画像となっている。カラフルな画像に加え、「キラキラ」「オーロラカラー」「ツヤツヤ」の投稿も同じように伸びやすい傾向がある。
3位は、インパクト大の桃が目を引く桃ネイルの投稿だった。2021年、トレンドに敏感な若い女性の間で果物の質感をリアルに表現した果物ネイルが話題になった。また、この画像では桃のンパクトもさることながら、ネイルデザイン自体もクオリティーが高く、一見シンプルなため場所を選ばず手元がきれいに見えるデザインになっている。
加えて、果物ネイルはジェルネイルで再現したものが多い中、この投稿は特別な道具などがなくてもセルフで行えるネイルポリッシュを使用しているため、おうち時間で需要が高まったおうち美容のニーズにも合致した投稿となった。
一方、保存ランキングは、「文字入りのまとめ投稿」が中心だ。デパコス(デパートコスメ)・無印良品・プレゼントといった「需要の多いメジャーなテーマ」がランキングしている。ただし、詳しく投稿を見てみると、メジャーなテーマのなかに「それ知らなかった!」という情報も入っており、それが保存につながりやすいと考えられる。
保存数の1位は、優秀デパコスの投稿だった。買う時も使う時も気分を上げてくれるデパートコスメの投稿は同アカウントのフォロワーにも人気ジャンルだ。この投稿では「デパートコスメの中でも、買いやすい価格帯で、実力派のブランドで芸能人などに支持されているアイテム」をまとめたもの。そのため、見返したり、実際の買い物の参考にするために保存をするという、保存行動に繋がったと考えられる。
2位は、無印良品のバズりコスメの投稿だった。TikTokでも話題となっていた無印良品のコスメ。住んでいる場所を問わず全国各地で手に入れやすいアイテムやトレンドは、コロナ禍になってから、より人気のジャンルとなっている。
流行りのアイテムは、多くのメディアが投稿を行うため差別化しづらいテーマだが、「芸能人の〇〇が紹介して話題に」「店頭から姿を消すほどの人気」など、流行っている理由やその規模を説明することで、差別化が図れる。
3位は価格別のプレゼントの投稿だった。プレゼントは、インスタグラム上で投稿が非常に多いジャンルだ。渡したプレゼントがインスタグラムに載る可能性が高いため、渡す方もハズさないプレゼントを贈りたいという心理が働き、「オシャレなプレゼント」は需要が高いジャンルであると考えられる。
1000円〜5000円と幅広い価格帯で、ハンドジェルやバスアイテム・ヘアコームなど誰でも使いやすいアイテムを紹介したことで多くの層にリーチした。
以上の結果からMERRYはZ世代が求めているものとして、「自分モテ」と「メジャーテーマ×知られていない情報」の2つのキーワードを挙げる。
インスタ映えのトレンドはカラフル過ぎず、淡い色味などの投稿にトレンドが移り、他人目線ではなく、自分目線の「自分モテ」(=ときめき)が重視されている。また、つやつや・ぷるぷるといったテクスチャも人気だ。スタイルアップ・美人見えなど、コンサバなモテのいいとこ取りもしつつ、自分の気分が上がるオシャレを楽しむ人が多い。
また、コロナ禍で全体的なコスメの消費は落ち込んだものの、コロナ禍だからこそ自分の気持ちを高めるためにコスメの消費に積極的な層も存在する。彼女たちに対し、メジャーなコスメのテーマの中に、いかに新しい情報を盛り込むか、が重要なインサイトになっている。たとえば、人気ブランドの知らなかったアイテム、有名人愛用だがあまり知られていないアイテムなどだ。
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