オトナルは、ポッドキャスト間のリスナー送客を定量的に可視化するトラッキングサービス「Podcast Tracking」の提供を開始した。
同サービスは特定のポッドキャスト番組を聴いたリスナーが、自社の番組を再生およびエピソードをダウンロードしたかどうかを計測することができる。これにより企業は、自社ポッドキャストのリスナーを増やすための導線施策を定量的に分析し、最適なリスナー増加施策の検討・改善ができる。
ポッドキャストにおける広告手法は、「事前挿入型広告(Edited-In/Baked-in Ads)」と、「インストリーム広告(Dynamic Ad Insertion)」の2つに分類される。「Podcast Tracking」では、いずれの広告手法の場合もトラッキング可能だ。
事前挿入型広告(Edited-In/Baked-in Ads)
収録時や音源編集時に音声エピソード内に、広告音源をミキシングしたり、語り手が広告を読み上げる紹介パートを設ける広告方法。ラジオCMでも行われてきた手法であり、原則どのポッドキャスト番組でも行うことができる。
インストリーム広告(Dynamic Ad Insertion)
ポッドキャスト音源に対して、アドサーバーから配信を行う広告挿入手法。システムを通じて動的に音声広告挿入を行うため、配信する音声CMの種類を一定周期で差し替えたり広告出稿費用が配信数に応じて課金される・ターゲティングを実施できるといった特徴がある。配信の仕組みに対応した一部のラジオ局や新聞社のポッドキャストにて実施可能。
「Podcast Tracking」を活用することで、ポッドキャスト広告の出稿時に自社の番組へのリスナー送り込み効果を計測することが可能なため、例えば次のような運用や最適化が実現する。
番組ごとの効果検証:外部ポッドキャスト番組ごとのリスナー送り込み効果を比較することで、自社の番組のリスナーを増やすために、最も相性の良いポッドキャスト番組を見つけることができる。
音声クリエイティブの効果検証:外部ポッドキャスト広告上で訴求する番組紹介のメッセージや音声CMを定期的に変更し、その期間における集客のパフォーマンスを測ることで、もっとも効果のある訴求メッセージ・音声CMの発見やその改善に役立つ。
ポッドキャストは、Apple PodcastやAmazon Music、Google Podcasts、Spotifyなどの複数プラットフォームへ同時に音声配信を行えることが特徴だ。一方、ポッドキャストは配信の仕組みである「RSSフィード」の技術的な性質上、配信者が得られるデータが限定的であり、たとえば外部のポッドキャストで紹介または告知されたことで自社のポッドキャストリスナーが増加していても、それを分析することが難しいという課題があった。そこで、同社は「Podcast Tracking」を提供するに至った。
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