マーケターは、常に学び、行動し、チェンジを起こそう
――マーケター育成のために、社内でコンテンツを制作・発信されているとうかがいました。
「マーケターへの道」という社内のホームページ上で、様々な動画を制作・配信しています。動画は、外部から専門家を招いたセミナーや、社内のプロフェッショナルが登壇するプログラムもあります。これらのコンテンツは、マーケターに限らず社員みんなが閲覧できるものです。マーケティング・マインドは、マーケターに限らず、みんなに持っていてほしいですね。
――マーケターの成長に必要な要素は何だと思われますか?
マーケターとしての成長と、ビジネスパーソンとしての成長は同じこと。その上でマーケターに大切な姿勢は、飽くなき好奇心を持つことでしょう。私自身も、常に学びの姿勢を忘れないようにしていて、海外のCMOとのセッションなどにも積極的に参加するようにしています。「どうしてこうなるんだろう?」と興味を持ち、それを追求する行動に繋げることが必要です。
そして、「もっと知りたい」と考えたときに、人と繋がれるかどうかがポイントです。自分自身で学ぶには限界がありますから、詳しい人に知見を聞きに行ける行動力があるといいですね。私は、新聞やいろいろな媒体の記事を読んで、「素敵な考えだな」と思ったら、発信者と面識がなくても直接メッセージを送ったりします。飽くなき好奇心、行動力、人と繋がること。これらはマーケターとして心がけていたいですね。
さらに、“違和感”はもっと大切にしたいです。違和感は、変化が起こる兆しです。グローバルで活躍しているマーケティングコンサルタントのThomasBartaさんと親しくさせてもらっているのですが、彼は「マーケティングリーダーは、チェンジメーカーである」と語っています。チェンジメーカーとは、現状と目標の間にあるギャップを見つけ、「ここへ向かっていこう」と引っ張っていける人。そのとき、自分のためでなく、組織や社会のためにWHYとWHATを明確にすることが重要です。
――最後に、BtoBマーケターやマーケティングの組織作りに関わっている方へ、アドバイスをお願いします。
日本は、BtoBの組織作りやマーケティングにおいては、後進にいます。だからこそ、現状をより良くするための事例は必ずあります。事例から学んだら、自分の会社にあてはめて、どういうやり方がマッチするかを考えて、実行する。実行しなければ、学びは実になりません。これには相当な体力と気力、胆力がいりますが、小さな変化を繰り返し起こし続けて、社内外に仲間を増やしてほしいですね。すると、加速度的に大きなチェンジを起こせるのではないでしょうか。