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MarkeZine Day 2025 Retail

全国コンテンツマーケティング探訪~現場の声からヒントを得る

オンラインショッピングの売上2.5倍増!大丸・松坂屋が取り組む「人」起点のデジタルマーケ戦略とは

目的を明確にして臨んだ京都店のYouTubeチャンネル改革

 新型コロナは百貨店の集客にも大きな影響を与えている。百貨店の目玉である食品催事の客足は伸び悩み、同社はオンラインショップの集客強化へ本格的に取り組み始めた。

 2021年8月、大丸京都店では人気の食品催事「夏の大北海道市」の開催を予定していた。同店では独自のYouTube公式チャンネルを開設し、同年4月には食品催事担当社員2人によるシリーズ「タハラダちゃんねる」の配信を開始。しかし結果にはつながらず、同年7月から西本さんがサポートに入ることとなる。開催が迫る夏の北海道市に向けて、コミュニケーション戦略の見直しが始まった。

 まずはコンテンツ発信の目的を「オンラインショップの売上増」と明確に設定した。タハラダの2人からは「オーガニック再生が伸びない」という悩みを聞いていたが、催事までの限られた時間で結果を出すために広告の活用を決意。西本さん自身の広告運用の実績を説明し、コンテンツの内容について2人と議論を進めていった。

 「単に『コンテンツのおもしろさ』を追究していたら、各々のこだわりが出てしまい議論にならなかったと思います。売上増という目的を常に意識していました」(西本さん)

 それまでのタハラダチャンネルでは、2人の食レポ動画を配信していた。催事に向けてオンラインショップの存在を視聴者に周知するべく、テレビショッピング風の動画を新たに配信。「北海道市には元々一定のファンがいるので、Webでも同じ商品を買えることが伝わる、わかりやすい動画を意識した」と西本さんは話す。

タハラダチャンネルで配信したテレビショッピング風の動画

チャネルありきの戦略は取らない

 結果的にYouTubeを配信チャネルとして選んだが、YouTubeありきで戦略を立てることはしなかったという。「オンラインでの集客が目的であればInstagramを活用しても良い。『催事を盛り上げたい』が目的だったら紙媒体を薦めていたかもしれない」と西本さんが話すように、あくまでオンラインショップの売上増という目的に沿った結果、YouTubeを選択した

 広告配信時にフリーワードで興味関心別のターゲティングが可能な点や、ユーザーの年齢層の幅広さもYouTube広告の選定理由だった(2020年の総務省の調査によると10~50代いずれの年代でもYouTube利用率は70%以上、60代でもLINEに次ぐ利用率の高さ)。オンラインショップの売上増という目的を達成するため、北海道市や食品催事に興味のある幅広い年齢層へのリーチを狙ったわけだ。

 結果、広告動画は約4万5,000回再生(2022年2月16日時点)され、前回の北海道市と比較しオンラインショップの売上が2.58倍に増えた

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「本音の世界観」を重視

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この記事の著者

山田 太一(ヤマダ タイチ)

エディター、コンテンツマーケティングコンサルタント。産経新聞記者、人材採用広告会社の営業を経て、クマベイスに入社。クライアントワークにあたるとともに、コンテンツマーケティングやコンテンツ戦略の海外事例を研究する。熊本県出身。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/03/11 09:00 https://markezine.jp/article/detail/38421

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